一話 転生
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「…ん?」
気がつくと彼は、全てが視界全てが真っ白で何も無い広い場所にいた。
自分以外誰もいない。
彼は自分が死んだことを知っていた。
そしてここが天国だということも。
「まったく…悪い人生だった…」
彼は今までのことを振り返り、そうつぶやいてた。
「違うね」
ふと、彼の後ろから声が聞こえた。
そこには顔だちが良い、無地の白いシャツを着て背中には羽のようなものが生えている青年がいた。
「君の人生はここから始まるんだよ」
彼は思考を巡らせて青年の事を考えるが何も答えは出ない。
「あぁ、紹介が遅れたね。俺は神、それ以上の名前は与えられていない。」
どうやらその青年は神のようで、彼はため息をついた。
「神様直々とは話が早いな、やはり俺は今から天国か地獄の死後の世界に行くのか?」
彼は肩をすくめて神に問う
「…君は、随分割り切っているんだな。こんな状況に」
「…もういいんだ、どうでも、どうでも、な…しかし、さっきあんたが言った『君の人生はここから始まる』と言うのはどういうことだ?死後の世界はそんなに『救われて』いるのか?」
「いや、死後の世界は完璧な終わりだ。次の人生の為の準備と言ったところか」
神は彼の言葉を直ぐに否定し、言った
「君には人生を、君の過去を挽回するために」
彼はその言葉に神を睨んで黙った。
「…何故俺なんだ?他に生き返りたい人もいるだろう」
「君は僕の不祥事で死んでしまったんだ」
「…俺は交通事故だ。俺の不注意が原因だろう。あんたに罪はない。」
神は眉間にシワを寄せて唸り、言った
「いや、僕が殺してしまったのは、君の心だ。君の…母親と妹を…」
「…っ」
ここでようやく彼は動揺を見せた。
「母さんと『神無』はっ…」
「君の父親に『父親』に殺された、そうだろ?」
狂夜の肩が震え始める。過去を悔やんでいるのだろう。
「...俺の母さんも『神無』も殺されたんだ。俺の...『目の前』で」
「!?」
次に動揺を見せたのは神だった。
「お前、今なんて言った!?」
神様は驚愕の顔に驚愕の声音で声を荒らげる。
「俺は...二人が殺された時その場にいた。2人の死に際を見てしまった。」
彼は左腕を上げる、包帯が巻いてあり、右腕と比べ『長さが足りない』
「俺の左腕は...そいつに切断された」
包帯をとり、左腕を見せる。
その左腕の傷口は黒と赤が混じった吐き気をもようす色をしていた。
「…その左腕を治してやる。」
神は彼の左腕から視線を外さずに崩れた声で言った。
「腕を治す気か?」
彼が聞くと神は
「そうだ!!早くしろ!!」
と急かすように言った
「やめてくれ」
彼は左腕に包帯を
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