20話 星の屑作戦開始 5.7
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ついての情報が得られなかったことに悔しさを滲ませていた。
* アクシズ先遣隊 クワジン級 格納庫 同日 13:00
ガトーたちはデラーズ艦隊に合流できずに敵に捕捉されかかったところをハスラーに助けられていた。
ガトーはこのことに感謝していた。ハスラーはガトーの感謝よりも別の事をガトーに話していた。
「実はな、ガトー少佐らを助けたのも偶然ではないのだよ」
「はっ?どういうことですか」
ハスラーは艦内の広い格納庫をガトーと歩きながら、ガトーたちの救援はゼナの願いだと話した。
「ゼナ様の・・・」
ガトーは亡きドズルの妻の名前を聞き、驚いた。ハスラーは頷き、説明した。
「ゼナ様はギレン閣下の成す事に疑念を持たれている。それがアクシズの総意となりつつある。生き証人を見つけてはギレン閣下へ告発し、ドズル閣下の無念を晴らそうと思っているのだ」
ガトーは複雑な面持ちで伏し目がちになり、ハスラーの話を聞いていた。
「そのため、ギレン閣下の目を潜り、デラーズ大佐から離れた貴官をこの機会にと思い、ここへ招待したのだ。まあやり方としては結果救援となったから良かったよ」
「・・・そうですか・・・」
ハスラーの言葉により、ガトーは再びギレンへの懐疑的な思いが芽生えた。
「して、君はこれからどうする?願わくば我々と共に行動して欲しいのだが・・・」
ガトーは少し考えて、答えた。
「ハスラー提督。私はジオンの士官であります。しかし、あのソロモン以来、全てを正義とは思えません。時間を頂きたい。仮にゼナ様と同じ思いに至るときは馳せ参じます故・・・ご了承下さい」
「そうか・・・貴官程の軍人をこちらに招くことができればと思ったのだが、今回はこれぐらいだろう・・・」
そうハスラーが話し終えた時、格納庫のある大きな扉の前に辿り着いた。
そして、傍にいた部下にその扉の開閉を命令した。
「ガトー少佐。貴官はまだ生き残らねばならない。そのための手助けを我らはしようと思う。これを持ち、戦線へ復帰してくれたまえ」
真っ暗の中、明かりが付くとガトーの眼前に見えた圧倒的な大型のモビルアーマーに、ガトーは息を漏らした。
「これは・・・ジオンの精神が形となって現れている・・・」
「AMA−002ノイエ・ジールだ。どうかこれでいつかゼナ様の手助けをして欲しい。それを思い、君に託す」
ガトーは素晴らしい機体を目の前にして、ゼナの想いとデラーズの想い、そしてギレンへの不安を考えて複雑な心境だった。
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