20話 星の屑作戦開始 5.7
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た。
「こちらはルナツー方面軍の巡視隊の隊長ヘンケン・ベッケラー中佐だ。貴官らはどこへ向かう予定だ」
「はい。ルナツーの観艦式を観覧しようと思いまして、後何か良からぬ噂も聞きまして、ある連邦高官からの特命にて向かっております」
「そうか。ルナツーには何もないぞ。皆警邏に出払っている。何か起こると思うから、近づかない方が良いと司令部からの通達だ」
「なんですと。ルナツーが空!」
「そうだ。この広大な宇宙。集まれば大艦隊を要するだろうが、散らばってしまえば大した数ではない。司令からはある合図と共に、地球軌道上へ集結するという指令をいただいている。勿論ソーラレイの軌道外だがな」
シナプスはヘンケンの話を聞いて、通信中のブレックスらの顔を見た。ブレックスは瞼を閉じて、読めない先の展望について思案していた。
* ルナツー内 式典会場 5.7 12:00
観艦式の準備で余念のないよう司令部より指示出ししていたワイアットはルナツー内の式典議場にて、観艦式の開始を宣言していた。
式典会場には無数の連邦士官がオープンなバイキングスタイルにてドリンクやフードが食べれるようにごった返していた。その前方にひな壇があり、司会進行役がワイアットへ壇上へと促した。
「では、開会の挨拶と宣言を宇宙艦隊総司令官グリーン・ワイアット大将より頂きます。どうぞ宜しくお願い致します」
ワイアットはひな壇へゆっくりと足を運んでいった。ひな壇の頭上には大型モニターが配備され、ルナツーを取り囲む圧倒的な艦艇戦力が映し出されていた。
ワイアットが壇上のマイクの前に立つと、式典に出席している士官たちへ話し始めた。
「えー、我々は3年前ルナツーを奪還し、ソロモンへ救援に行きました。故ティアンム将軍の部隊が失われ、私の艦隊も窮地に追いやられました」
ワイアットはその頃の思い出を沈痛な面持ちで語っていた。
「しかし、我々はジオンの脅威から屈することなく、数少ない戦力にて、ジオンからの侵略を阻むことができました。それはひとえに貴官らの働きによるものでした。例え劣勢になろうとも国を守る、人々の笑顔を守る、そう想う軍人がこの場にいたからに他ありません」
ワイアットは前を見つめ、抑揚付けて語った。
「私は微力です。皆の支えが有って、ここに立つことができております。私の趣味である紅茶も安心して飲めるのも貴官らが働いてくれるからです」
ワイアットの冗談にどっと会場が湧いた。ワイアットは片手で制して、話し続けた。
「モニターに映るこの陣営も貴官らの働きによるものであります。私たちはこの艦隊を持ってして、宇宙に真の平穏をもたらす、そして皆が安心して暮らせる世の中を取り戻そうじゃありませんか」
会場がさらに
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