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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第209話 最初の一歩
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トの
45口径
(
フォーティ・ファイブ
)
と同じ
口径
(
キャリバー
)
だったら
シングル・アクション・アーミー
(
SAA
)
の方が……っと」
詩乃は、そこまで淀み無く言い終えそうだったのを止めた。……もう殆ど終わっていたのだが、どう考えても、
彼
(
・
)
が使っていたから、と言う理由になってしまっていたからだ。
一先ず、それは置いといて 詩乃は銃の左側面を遠藤に向けた。
「ガバメントは、サムセーフティの他にグリップセーフティもあるから、こことここを解除しないと撃てないわ」
かち、かちりっ と音をさせて、二箇所の安全装置を外した。
「……それに、これはシングルアクションだから、最初は自分でコッキングしないとだめ」
親指で、ハンマーを起こすと、硬い音と共に、トリガーがわずかに持ち上がる。
当然、この光景を唖然と見ているのは遠藤たちだ。先程までの勢いは何処へやら、と言う事で また滑稽に思えたのだが、まだまだ 詩乃の講義は続く。銃の構造の次は実技だ。
周囲を見渡し、見つめたのは6m程先にある焼却炉の傍らにある青いポリバケツが複数あった。その1つに 誰かのポイ捨てであろうジュース缶が乗っているのに目が止まった。
左手をグリップに添えると基本的なアイソセレス・スタンスでかまえ、右目と照門、照星が作る直線上に空き缶を捉え、モデルガンである事と この世界には、当然
着弾予測円
(
バレットサークル
)
等出る訳ないのを考えた後に、風向きや抵抗を大体で計算して 銃を僅かに上向け、トリガーを絞った。
――ばすっ!
どうにも頼りない音と共に、頼りない音でも、弾丸が飛ばされた事による
反動
(
リコイル
)
の衝撃が手に伝わったのを感じた。そして、中々優秀に作られているのであろう、このガバメントはきちんとブローバックして、オレンジ色の小さな弾が発射された。
行き当たりばったりに出会った銃だ。そのクセが判らなかった事もあって、初弾は外すだろう、と思っていたのだが、運良く弾は空き缶の上部ギリギリの場所に当たって、詩乃は内心で少し驚いた。
そして かんっ! と子供が缶蹴り遊びをする時に蹴る音よりは ある程度は甲高い音を響かせてくるくるとコマのように回り、やがて倒れてポリバケツから転がり落ちた。
詩乃は ふぅ、と小さく息をつくと銃を下ろした。体の向きを変えて、正面から遠藤を見る。遠藤は勿論、取り巻きの2人とも、嗜虐的な笑みは完全に跡形もなく消えており、詩乃の正面にいる遠藤は完全に毒気も向かれている様で、呆然としていた。
だが、詩乃の手には あの銃が握られている事と、ずっと眼を見られている事に気づいて、怯んだように口元を強ばらせて、半歩後退った。
「や、やめ……」
上ずった声が漏れるのを聞いて、詩乃はふっと
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