暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico45-B嬉し悲しも想い次第
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私立聖祥大学付属小学校。チーム海鳴のメンバー全員が通う小学校。2月の寒空の下、その小学校の閉じられた正門に、ダッフルコート、タックスカート、編上げブーツと言った出で立ちで、両手を腰に当てて仁王立ちしている少女が1人。肩にはポシェットを提げている。髪色はまるで雪のように真っ白で、瞳は青空のように透き通った水色をしている。

「待っててね、マイスター・・・!」

彼女はアイリ・セインテスト。八神家の一員として過ごし、ルシリオンの融合騎として彼を支え、そして彼の隠す真実を知る数少ない少女。アイリはキョロキョロと周囲を見渡している。どうやら敷地内に入ろうとしているようだ。さすがに真正面からは悪手だと判断したのか駆け出し、その場から離れた。

「むぅ。抜け道とか無いんだね・・・。しょうがない・・・!」

小学校の周りをぐるっと何周化した後、アイリは何かを決心したのか敷地の裏へと移動して両膝を軽く曲げ、「よいしょっと」跳んだ。アイリは一度のジャンプで3m近い塀の上と飛び乗った。通行人に目撃されるのを避けるためにすぐさま敷地内へと降り、「マイスターの魔力反応は、っと」木陰に隠れた上で目を閉じた。

――魔力探査(サーチ)――

魔力反応を探す魔法を発動した。サーチの熟練度が高ければ、魔力パターンまでも解析できて個人を特定することも可能。アイリはこの何百年とレンアオムで鍛えられたことで「見つけたっ?」ルシリオン独自の魔力パターンの完治に成功できるまでの熟練度を有していた。

「アイリ・セインテスト、行っきま〜す♪」

そうしてアイリはルシリオン達の居る校舎へ向かって駆け出す・・・が、「っと、大人に見つからないようにっと」すぐに立ち止まり、近くにあった焼却炉の側に積まれていた段ボールを1箱拝借し、某CIA工作員の如くダンボールを被って、カサカサと慎重に向かい始めた。

†††Sideはやて†††

お昼休みなって、いよいよ本番。ルシル君のところに他のクラスの女の子たちがチョコを渡しに来始めた。ルシル君は「ありがとう!」お礼を言って、女の子の学年とクラスと名前を訊いて、それをノートに書き記してく。ホワイトデーにお返しをするためにや。

(中には本命チョコもあるんやろうけど、ほとんどはホワイトデーのお返し目当てなんやろうな〜)

去年のホワイトデーは、ルシル君お手製ラスクを贈られた女の子たち大騒ぎやったからなぁ。その日の放課後にはルシル君のお菓子作りの腕はプロのお菓子職人って話が女の子たちの中に流れた。そやから今年はそのお返しを目当てにしてチョコを贈る女の子が増えたんや。
気持ちは解らへんでもない。あのラスクはホンマに美味しかった。チョコ、ココア、ハチミツ、キャラメル、オレンジ、ストロベリー、6種類の味のラスクはルシル君も自信作
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