sts 20 「賑やかな朝」
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ティアナを連れた状態ではやてと共にクロノに会いに行ったわけだが、予想通りティアナは緊張していた。まあクロノだけでなくヴェロッサが居たのも理由かもしれない……彼女の性格が性格なだけにリラックスしろというのは無理だとは思うが。
俺達が話し合った内容は今後の機動六課の方針といった仕事に関すること。
そのような真面目なものもありはしたが、アースラが来月廃艦されることになったという世間話じみたものもあった。思い出の詰まった艦だけに思うところのある人間は俺だけではないだろう。だがアースラは長い間働いてくれたのだから休めてやるべきなのだ。
他にその日にあったことと言えば……ティアナが自分から俺達との距離を縮めようと食事に誘ってきたことだろうか。アースラの話をしているとき、ヴェロッサも席を外していたため大方彼が何かしら言ったのだろう。
……なんて考えるのはこのへんにしておこう。
現在の時間は、太陽が顔を見せてからそう時間が経っていない早朝。場所は海岸にある訓練用スペースだ。今日もいつものようにフォワード達の朝練である。ただ今日はこれまでと違って新しい顔がふたつほどある。
「さて、今日の朝練の前にひとつ連絡事項です。陸士108部隊のギンガ・ナカジマ陸曹が今日からしばらく六課に出向となります」
「陸士108部隊ギンガ・ナカジマ陸曹です。よろしくお願いします!」
敬礼しながら覇気のある声で行われた挨拶にフォワード達は元気に返事をする。
ナカジマという名前から分かっている人間もいるとは思うが、ギンガはスバルの姉に当たる人物だ。彼女は長髪なのでパッと見ではスバルと間違えることは少ないだろうが、顔立ちは似ているためどちらかが髪型を似せれば間違える可能性は大いに増えることだろう。
「それからもうひとり……10年前から隊長陣のデバイスを見てくださっている本局技術部の精密技術官」
「どうも、マリエル・アテンザです」
彼女についてはそれほど説明はいらないだろう。俺達が通称マリーさんと呼んでいる優秀な技術者だ。多忙な毎日を送っているのだが、地上に用事があるらしくしばらく六課に滞在することになったらしい。ちなみに時間があれば、フォワード達のデバイスも見てくれるとのこと。
「出会ったばかりだけど、そんなの気にせず気軽に声を掛けてね。……といっても、ショウくんに頼んだほうが早いかもしれないけど。私より最新の技術に精通してるし」
「マリーさん、そういうの止めてください。作業速度や着眼点、機転の良さ……その他諸々マリーさんの方が上なんですから。大体義母さんやシュテルと情報交換してるんでしょ?」
「それはそうだけど、ついこの間まであんなに小さかったショウくんが今では立派な技術者。成長の速さからして、もうじき追い
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