第十八話 プールですその四
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「私は旦那様になってくれる人にしか」
「旦那様ね」
「そうよ。例えば」
ここで頭の中に浮かぶのは。
「オダギリジョーさんや友井雄亮さんみたいな人よ」
「それぞれタイプ違うんじゃ?」
早速突っ込みを受けました。
「顔もスタイルも」
「やってる役の傾向もねえ」
「背が高いじゃない」
私が特撮の人を好きな理由の一つはここです。私背が低いんでどうしても男の人は背が高い人を好きになるんです。ただ性格が第一ですけれど。
「だから。それで」
「自分で背のこと言ったら駄目でしょ」
「本当にもう、この娘は」
「うう・・・・・・」
「何はともあれよ」
一通りいつもみたいに言われた後で話が変わりました。
「ちっち、先生は?」
「あれっ、そういえば」
まだ来られていません。お姿はプールの何処にもないです。
「おられないわね」
「何処かしら」
「まあそのうち来られるでしょうけれどその間は」
一人の娘が嫌そうな顔になります。
「辛そうね」
「辛そう?」
何故辛いんでしょう。私はそれがわからなくて首を傾げました。
「どうして辛そうなの?」
「だから。男の子の視線よ」
「刺さるみたいじゃない」
「ちっちだって」
「私もって」
全然感じないですけれど。あるんでしょうか、そんなの。
「何も受けていないけれど」
「やれやれ。本当にわからない娘はわからないのね」
「本当に。これはアタックする子が大変だわ」
「アタックって誰によ」
やっぱり話がわかりません。
「何が何なのか」
「だから。考えなさい」
呆れきった声で言われました。
「考えればわかるから」
「そうなの」
「そうよ。さて、と」
ここで私達の中の一人が声をあげました。
「タオルでも身体にかけておいた方がいいわね」
「そうね」
これはわかりました。それで身体を隠すんです。
「さもないと視線が」
「全く男の子って」
また誰かが不意に呟きました。
「そんなに興味あるのかしら」
「あるから見るんでしょ」
また仲間内の一人の言葉が出ます。
「女の子のスタイルに」
「それ考えたらこの学校の水着って」
水着の話になります。
「競泳用だからスタイルはっきり出るのよね」
「そうそう」
「スクール水着なんかよりも特に」
「何かちっちは両方似合いそうだけれどね」
「そうかしら」
また私に話が振られましたけれど実感はないです。
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