15.10年一昔。初恋のあの娘はもう…
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いえ!あんなの兵士等ではありません!山賊と同じ!村へやって来ると、壊し、奪い、人々を殺し、女子供を襲う犯す!欲望の限りを行うと、満足したかの様に帰っていきました」
シスターは泣き出し、そして訴えた。
「パパスさんは、そんな事しない!パパスさんは子供を攫ったりしない!それなのに!うっうっ…それなのに…」
「その通りだよフレアさん」
「え!?」
俺は優しく、俺のもてる限りの優しい口調でフレアさんに語りかける。
「父さんは、パパスはそんな事してない。攫われたヘンリーを助けに行ったんだ」
フレアさんは涙で溢れた目で俺を見つめる。
「…リュー君?…本当に、リュー君!?」
「ただいま、フレアさん。長い間ごめんね」
「ふぇ〜ん…リュー君だ!リュー君が生きていた!ふぇ〜ん!」
フレアさんが俺の胸に抱き付き泣きじゃくる。
10年前は俺が彼女の胸に抱き付いていたのに…
「ぐすっ…それでパパスさんは?」
俺は重い口調でフレアさんに告げる…
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フレアさんの表情が沈痛な物になる。
しかし次の瞬間、明るい笑顔に戻すと、
「パパスさんの事は、リュー君のせいじゃないからね!元気を出してね」
「…うん…」
「じゃぁ、パパスさんのご意志を継ぐのなら、あの洞窟を探した方がいいわね」
そう言うと丘の麓にある洞窟に目を向けた。
あの洞窟は父さんが時折赴いていた所だ。
エロ本でもあるのだろうと当時は考えていたが…
「取りあえず今日はもう暗くなるから教会に泊まっていって」
そう言いフレアさんは今更ながらヘンリーの事に気が付いた。
「ところで、お連れの方の紹介はしてくれないの?」
あどけなく言うフレアさんとは対照的に、ヘンリーは顔面蒼白で今にも吐きそうだ。
「お、俺は…その…」
「彼は、僕の大親友のヘンリー。彼も奴隷だった。彼がいなかったら僕は10年間絶えられなかっただろう!大切な、本当に大切な僕の友だ!」
もうこれ以上話をややこしくしたくない…めんどいし。
「ヘンリー…さん…ですか…」
フレアさんも分かったのだろう、それ以上追求はしてこなかった。
でもヘンリーに対しては、かなりぎこちなかった。
<サンタローズの教会>
ヘンリーSIDE
夜更けの教会。
静寂が包む中、リュカが起きあがり出かけようとしている。
「リュカ。水くさいぞ!俺も一緒に洞窟探索を手伝うぜ!」
リュカは俺に気を使い、一人で洞窟に向かうつもりの様だ。
リュカは俺の事を親友と大切な友と呼んでくれた。
俺はこいつの為なら何でも出来る!こいつの為なら何も惜しくない!
「え!?」
リュカは俺が起きていた事に驚いている。
「いや…でも…悪いから…」
「ふざけるな!お前の旅の目的は、俺の旅の目的だ!」
まったく水臭いヤ
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