第三十八話 野村中佐!とどろけ一番!!その十一
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「おいどんに憧れるのはおいどんは恥ずかしいでごわすがいいでごわす」
「しかしただ憧れで終わるのではなく」
「自分自身がでごわす」
「高まってこそですね」
「いいのでごわす」
憧れることに止まってはならないというのだ。
「是非」
「そうなのですね、尊敬はそこで止まってはならない」
「尊敬する対象に近付くべきなのでごわす」
「わかりました、では私も」
「己を高めていくでごわすな」
「堕落することなく」
坂口安吾の堕落論とは正反対にだ。
「そうしていきます」
「それは何よりです、後でごわす」
「後、とは」
「たまに人に自分を尊敬しろという人がいるでごわすが」
「恥を知らない人の言葉ですね」
「そうした人はでごわす」
強い否定で以てだ、西郷はそうした人について話した。
「絶対に尊敬されないでごわす」
「それどころかですね」
「軽蔑されるでごわす」
このことも絶対にである。
「そうなるでごわす」
「そうならない筈がないですね」
「恥を知らない者は軽蔑されるでごわす」
それ故にというのだ。
「人は尊敬されることを望んではならないでごわす」
「尊敬されることを望むよりも」
「己の高みを目指すべきでござる」
それが人の本道だというのだ。
「人にそうしたことを言う輩はそこから上には決して上がらないでごわす」
「既に天狗になっているからこそ言える言葉で」
「もう努力を放棄しているでごわす」
自分が気付いていなくともだ。
「ましてやそんなことを言うようではそのレベルもたかが知れているでごわす」
「極めて低いレベルで留まっていて」
「そこで終わりでごわす」
つまり人間として最底辺にある者がいいその最底辺から上がることはないというのだ、そうした発言をする輩は。
「だから最初から言わないでごわす」
「そういうものですね」
「そうでごわす、大将もでごわす」
「尊敬されたいと思うな」
「その様なことに構わずでごわす」
「己を磨くことですね」
「そのことが大事でごわす」
こう言ってだ、瞬に対してこうも言ったのだった。
「では今回の戦いもでごわす」
「はい、毅然として戦い」
「日帝衆を見せて欲しいでごわす」
「大将、ではだ」
「戦いは任せた」
山本と東郷も瞬に告げた。
「野村仙次郎中佐はもう用意が出来ている」
「京都大学にいる」
「今回は勝負の場にはならなかったが」
「あの大学で修行を積んでいる」
即ち勉強をしているというのだ。
「ハーバード大学主席をも凌駕する学力がある」
「マッカーサー元帥ですら逃げ出すまでにな」
士官学校での平均点九十七・八であった。それ以前もそれ以降もないまさに空前絶後の秀才であったのだ。
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