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遊戯王ARCーX 〜波瀾万丈、HERO使い少女の転生記〜
二十三話 ー揺れる眼差しVー
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歴代の主人公達が持つ『強さ』には及ばない。だが、どうすれば彼らに追いつけるのかはわからない。
「……負けたくないっ!」
自分の力の無さが原因で親しい人物が傷つくのは見たくない。
「……誰にも負けない力が欲しい」
だけどこれ以上強くなんて私にはわからない。
いや、一つだけある。今の私には使えず、
可能性
(
ポテンシャル
)
を秘めたカードが。
「……ペンデュラム、か……」
私のカードプールは唯一、『ペンデュラム』のみ存在しない。
その理由はデスガイド曰く、正史を必要以上に捻じ曲げてしまう事を避ける処置らしい。似た様なもので言えば、本来なら『No.』と書かれているカードからそれが消されていたりなど。そして、無闇と歴史改変など行えば、歴史の修正力によって最悪の場合は存在を抹消されるらしい。
だから私はペンデュラムカードを使えずいたし、使おうとも思わなかった。だけど、私が力を手に入れるためにはどうしてもそれが必要なのだ。だから手に入れなければならない。
たとえどんな手段を使ったとしても。それが悪魔に魂を売る行為だとしても。
ーーーーーーー
遊矢
LP1300
魔法・罠
ペンデュラム:スケール1『星読みの魔術師』、スケール8『竜穴の魔術師』
場
『オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン』、『EM チアモール』、『EM パートナーガ』
優希
LP4300
魔法・罠伏せ:一枚
場:無し
「……私は、レフトペンデュラムスケールにスケール3『竜魔王ベクター
P
(
ペンデュラム
)
』を、ライトペンデュラムスケールにスケール5『竜剣士ラスター
P
(
ペンデュラム
)
』をセッティング!!」
「なん、で……。優希がペンデュラムカードを」
優希のデュエルディスクが七色の光を放ち、二本の柱が天を貫くように伸びる。空には遊矢のネックレスと同様の水晶の振り子が静かに揺れている。
「なんで、優希お姉ちゃんがペンデュラムカードを持ってるの?」
「ゆ、遊矢さんだけのじゃ、なかったの……」
「わ、わけわかんねぇぜ」
年少組は困惑気味に声を発する。それもそのはず。
ペンデュラムカードは、遊矢がストロング石島戦の時に、手に入れた新たな力。
榊 遊矢だけが使えるはずの召喚方法。
だが、現に同じカードが彼らの目の前に存在する。そして思い出されるのは少し前にLDSが塾対抗試合を仕掛けてきた時、赤馬 零児が発した言葉。
『ペンデュラム召喚。それがいつまでも君だけのモノだと思わない事だ』
くっ、と唇を強く噛むと遊矢は前方を睨みつければ、そこには辛そうな表現の優希がいた。
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