19話 それぞれの休暇
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「これは、且つてのジオンのエースにお目にかかれるとは光栄です。パプテマス・シロッコと申します」
シロッコはシャアに手を差し伸べた。シャアも礼儀として握手を交わした。その瞬間、シャアはシロッコにおぞましいものを感じた。
「(なんだ・・・この悪寒は・・・)」
シロッコはガラス越しにララァを見ていた。そしてシャアに質問をした。
「話に聞いている。実に有意義な研究をしていると・・・」
シロッコの発言を警戒しながら、シャアは返答した。
「ええ、ララァの技術はこの施設の中と同じく穏やかな技術です。兵器利用とは程遠いものですが・・・」
「しかし、感応波が周囲へ働き掛けることができると聞く。集約すれば、それはサイ・コミュニケーターにも活かせるのでは?」
「その研究は軍にお任せしますよ。我々は一民間機関です」
シロッコはシャアの答えに同意した。
「そうだな。日本のムラサメ研究所が割と先端行く開発を行っているらしいからな」
そう言って、シロッコは部屋の出口に向かった。
「カイくんにセイラくん。久々に会えて懐かしかったよ」
その言葉にカイは毒ついた。
「ほう。味方殺しのお前が懐かしむ相手か?」
シロッコは高らかに笑った。
「ハハハ・・・まあ昔のことだ。別に何とも思わんさ」
そう言ってシロッコは出ていった。シャアはシロッコについて、カイに質問した。
「あのシロッコとは何者だ?」
カイは一息ついて、シロッコについて説明を始めた。
「シロッコは、元ホワイトベースクルーであり、レビル将軍の暗殺の張本人さ」
「なんだと!」
セイラがカイの代わりに説明を続けた。
「ええ、シロッコはカイの恋人のミハルさんを使い、自らの出世のために味方をも利用する卑劣漢よ」
シャアは2人の憤りを見て、決して交わることのない人物だと認識した。
シロッコはオーガスタ研究所の外で外観を見ていた。
そして含み笑いを始めた。
「(やっとだ。アムロから感じ取っていた勘がどうやらここに来て実を結んだらしい。あれが私の求めていたものだ)」
シロッコは目的の代物を3年という月日の下ようやく探し出せたことに満足感を得ていた。
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