19話 それぞれの休暇
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・ブラウン市 アナハイム工場 同日 昼過ぎ
アムロは改修中のアレックスを目の前に腕を組んで立っていた。そこにテムがコーヒーを持って近づいてきて、アムロに差し出した。
「ああ、有難う」
「会うのはしばらくぶりだな。どうだ地球は?」
アムロは貰ったコーヒーを一口付けた。
「・・・っつ、熱・・・いや、酷いもんだ。味方同士で殺し合っている。親父が思い描いていた終戦図とは掛け離れている。地球圏内だけなら連邦の勢力下なんだけどな・・・」
それを聞いたテムは目を落とし、悲しんでいた。
「そうか・・・V作戦から始まり、軍部の増長を招いたみたいだな。浅はかだと思われても仕方がない」
「いや、アレが正常の流れだよ親父」
アムロがテムの責任ではないと反論したことにテムが質問した。
「どういうことだアムロ?」
「過去・・・歴史においても、産業の革新にはいろんな副産物がつきものだよ。この戦争もある技術革新期なのさ。人は豊かになれば、その欲深さは底を見せない。例え、親父がやるやらないにしても、いずれ顔を出したことなのさ」
アムロはテムにそう言うと、テムは少し笑った。
「そうだな。オレ一人が自体を招いたと驕りがあったのかな・・・」
「ああ、驕りだよ。人一人の影響力など、圧倒的なカリスマがない限りは塵に等しい」
「言ってくれるじゃないかアムロ。確かに私は一技術士官にしか過ぎない。元々はあの指令も連邦本部の注文だった」
「だからさ。連邦が今、そう動きを見せていることはごく自然の流れなのさ。それに付き合わせられる市民達はたまったもんじゃないがな」
アムロはひとつ話に区切りを付けて、アレックスの改修についてテムに聞いた。
「そう言えば、渡したサイコフレームとその草案はどう?」
テムはすごく渋い顔をした。
「アレか・・・バイオセンサーを凌ぐ、感応素材ねえ〜。テストをしてみないとわからんな。実際の数値を見てみたい。どの信号がどのように刺激されるかを・・・」
「そうだな。色々試してみて欲しい。未知の部分が山ほどある技術だ」
そう未知だった。あのアクシズの時のここまで精神を戻された、その原因の一つではとアムロは推測していた。
「(他に物理的な説明が付かない。オレとシャアの感応波でのこの状況など。人の想いだけで成せる業ではない)」
テムはアムロにアレックスの改修について補足していた。
「ああ、それとなアムロ。ムーバブルフレームも技術的にひと段落が着いた。アレックスの骨組みをキチンと整備しなおそうと思う」
アムロはそれでは既に新型を作るという話だと思い、テムに質問した。
「おもいっきりが過ぎないか?いくらアナハイムの研究開発用の経費とは言え・・
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