暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第2章:異分子の排除
第12話「IS学園」
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間以内に覚えろ。いいな?」

「いや、一週間であの厚さはちょっと...。」

「やれと言っている。」

  凄い威圧感で千冬姉はそう言う。...なぜだろう。以前の俺なら思いっきり怯んだはずなのに、平然としてる...。...桜さんや束さんで慣れてしまったか...?

「っ....はい...やります...。」

  さすがにアイツもこれには耐えられないようだ。

「あーっと...織斑先生?」

「なんだ?」

  唐突に桜さんが発言する。

「再発行はしなくていいです。俺のを譲るので。」

「....お前はどうするつもりだ?」

「俺は暗記してるので。もし忘れても、秋十君のがありますから。」

  やっぱり覚えてたんですか。...そう言えば、桜さんは俺の参考書を適当に見ながら俺に教えてたような...。まさか、あれで覚えたのか?

「....いいだろう。再発行の手間が省けるからな。そう言う事だ。後で貰っておけ。」

「....わ、分かりました。」

  訝しむような目で俺と桜さんを見てくる一夏。...どうせ、碌な事考えてないだろうな。

「では、授業を進めます。テキストの12ページを―――」

  この後は、特に何事もなく授業が進んでいった。





「桜さん、ここってどういうことですか?」

「そこか?そこはだな....。」

  休み時間、少しだけ分からなかった事があったので、桜さんに教えてもらう。

「ねぇねぇ、さくさく〜。」

「....俺の事か?」

  間延びしたような声色で桜さんが(多分)呼ばれる。

「そうだよ〜。ホントに参考書の内容覚えてるのー?」

「まぁな。なんならいくつか質問してみてくれ。」

「ん〜、じゃー遠慮なく〜。」

  しばらく話しかけてきた少女と桜さんの問答が続く。...桜さんが暗記しているのはもう慣れたけど、彼女もなかなか凄いな。それなりに覚えてるし...。見掛けに寄らねぇ...。

「お〜!ホントに覚えてるんだね〜。」

「だろう?...ところで君は?」

  しばらくしてからようやく桜さんが彼女の名前を聞く。

「私は布仏本音(のほとけほんね)だよ〜。」

「そうか。よろしくな本音。」

「うん〜。あっきーもよろしくね〜?」

  あっきーって...俺の事か?

「さっきからさくさくとかあっきーとか...俺たちの渾名か?」

「そうだよ〜?桜だからさくさく。秋十だからあっきーだよ〜。」

「なんというか...まぁ...。」

  ネーミングセンスがずれているというか...。まぁ、気にしたら負けか。

「あ、あなた達!あなた達も教官を倒しましたの!?」


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