セイバーの覚悟
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ミネルバのいきなりの発言にオルガとルーファスを中心としたメンバーたちは驚愕している。
「お嬢」
「ミネルバ・・・貴様・・・何を言って・・・」
「黙るが良い」
ミネルバは床にへばりついているジエンマを、まるで汚物でも見るかのような目付きで見下ろす。
「負け犬などいらんのだろ?父上の持論に従うなれば」
「くっ・・・」
ミネルバに痛いところを付かれたジエンマは悔しさに歯軋りをさせる。
彼女はジエンマからスティングへと視線を移す。
「スティング、そなたに無く、シリルとナツというものにあるもの。それこそが想いの力だ」
「想いの・・・?」
スティングはミネルバが何を言っているのかわからずに呆けている。
「知らず知らずのうちに父上に感化されていたようだが。仲間などいらぬ、力こそがすべて。だが、そなたの本質は違う。レクターを想う気持ちが力になる」
「想いの力・・・」
「どういうこと?」
2人のやり取りを見ていたローグが呟き、フロッシュが何を言っているのか理解できずにローグを問いかけている。
「スティング、そなたはその力を手に入れたのだ。そなたはシリルを・・・いや、ナツをも越える」
今までのスティングならナツを越えると言われれば純粋に嬉しかったであろう。しかし、今は違う。大切な友を失った今の彼には、そんなものなど意味がなかった。
「お嬢・・・俺はもう・・・」
「案ずるな、レクターは生きておる」
「え・・・?え!?」
スティングはミネルバの言葉に、希望を見出だしたような、そんな表情をする。
「あの瞬間、妾の魔法で別の場所へと飛ばしたのだ。父上の魔法で消滅する直前にな」
「本当か!?お嬢!!」
スティングはそれを聞くと安心し、その場に座り込む。
「レクターが生きてる!!」
「ああ」
「よかったな」
「うん!!」
これにはスティングだけでなく、ローグやグラシアン、フロッシュとキセキも安心している様子だった。
「ありがとう・・・ありがとうお嬢!!早くレクターを戻してくれ!!本当にありがと―――」
「甘えるな」
目を擦りお礼をいうスティングに対し、ミネルバはそう言う。
「え?」
「大魔闘演舞にて優勝するまではレクターは渡さん」
「何言ってんだよお嬢!!頼むよ!!今すぐレクターを!!レクターを返してくれよ!!」
スティングは心の底からミネルバに懇願する。しかし彼女は首を縦に振ることはなかった。
「妾は父上とは違う。しかし剣咬の虎のあるべき姿が天下一のギルドであることに変わりはない。そなたらは確かに負けた。しかし今、レクターを失ったことによりそなたは新しい力を手に入れ、生まれ変わったと言える。
感じたであろう
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