セイバーの覚悟
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「や・・・やだなマスター・・・僕だってここにセイバーの紋章を入れた、れっきとした・・・」
レクターは自分がギルドマークを見せたと同時にジエンマのプレッシャーがはね上がったことに気づき、冷や汗を流す。
「なぜに犬猫風情が我が誇り高き剣咬の虎の紋章を入れておるか」
マスターはレクターに右手を向け、彼に魔法をぶつける。
「消えぇ!!」
魔法が当たった途端、レクターのいた場所が粉々に砕け散る。
「スティング・・・君・・・」
そして直接に攻撃を受けたレクターは、跡形もなく消滅した。
「レクターーーーーーーーー!!!!」
涙を流し消えてしまった仲間の名前を叫ぶスティング。レクターのいた場所にはジエンマの攻撃が当たった跡以外、何も残っていなかった。
「あ・・・ああ・・・レクターが・・・」
「き・・・消えちゃった・・・」
フロッシュとキセキはあまりのことに恐怖し、表情を強張らせる。
「フロッシュ!!」
「キセキ!!」
「ローグ・・・」
「グラシアン・・・」
ローグとグラシアンは矛先が彼らに向かないようにと抱き締め、ジエンマから見えないように背を向ける。
「目障り目障り。猫が我がギルドの紋章など入れてからに」
ジエンマはレクターを消したことにより満足したようにしている。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」
大切な相棒を消されたスティングは、ショックのあまり大声で泣き叫んでいた。
「やかましいぞスティング」
「なんてことを・・・あんたはなんてことを・・・」
スティングは顔を覆いながらフラフラと立ち上がる。
「黙れ!!たかが猫1匹!!」
「!!」
その瞬間、スティングの中で何かが弾け飛んだ。
ドゴォン
スティングの鉄拳がジエンマの腹部を貫く。ジエンマは体を貫通されたためにそのまま立っていることができず、床に倒れる。
「マジか」
「マスターやっちまったぞ」
「どうすんだこれ」
剣咬の虎の魔導士たちはスティングがジエンマを攻撃したことに動揺している。
「スティング・・・」
「お前・・・」
ローグとグラシアンはジエンマを見下ろし、呼吸を整えようとしているスティングを見つめる。
フロッシュとキセキは次から次に起こる惨劇に茫然自失である。
「スティング・・・ただで・・・済むと・・・」
「それで良い」
ジエンマがスティングに何らかの処罰を下そうとした時、傍観していたミネルバがスティングの方へと歩み寄る。
「父上の恐怖統制は今ここに終わりを告げよう。父上の力をも越えるスティングこそ、新たなマスター候補にふさわしい」
「スティングが・・・マスター候補?」
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