セイバーの覚悟
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ぶん鼻高々に強ぇだの最強だの、でかい口叩いてたよなぁ?ああ?
それをおめおめと、同じ滅竜魔導士に、しかもあんなガキにぶちのめされるとはよぉ」
「「「・・・・・」」」
「聞いてんのかぁ!?んん!?」
沈黙を保ってきた三大竜。彼のうち、1人がここでようやく口を開く。
「言葉もありません、完敗です」
普段は無口なローグがスティングやグラシアンよりも先に口を開いたのだった。
「シリルは、天空魔法を合わせた水を使わずに俺たちを圧倒した・・・」
よほど悔しかったのか、ローグの手に力が入る。
「想像を遥かに越える強さです。シリル・アデナウアー」
その言葉を聞いたジエンマは自身の前にあったワイングラスを倒し、彼らの目の前に足を踏み出す。あまりに怒っていたがためにジエンマの踏み出した部分の床が凹んでいた。
「それが最強ギルド剣咬の虎の魔導士の言葉か、ああ!?
誰があんなみっともねぇ姿を晒せと言ったよ、誰が敗北してこいと言ったよ。最強ギルドの名を・・・汚しよってからに!!」
「「「うわぁぁ!!」」」
ジエンマが全身から魔力を放出すると、近くにいた3人は耐えることができずに飛ばされてしまう。
「スティング君!!」
「ローグ!!」
「グラシアン!!」
レクターとフロッシュとキセキはそれぞれの滅竜魔導士の元へと心配しすぐに駆け寄る。
「貴様らに剣咬の虎を名乗る資格はないわぁ!!」
ジエンマは怒りに身を任せ、ローグを投げ飛ばし、グラシアンを殴り上げ、スティングを蹴り壁にぶつける。
「消せ、ギルドの紋章を消せ!!我がギルドに弱者はいらぬ!!負け犬はいらぬ!!」
ユキノ同様にギルドから3人を追放しようとしたジエンマ。その様子を見ていたオルガ、ミネルバ、ルーファスは無様にやられる仲間の姿を楽しい余興でも見ているかのように見ている。
「ま・・・まぁまぁマスター、スティング君たちは頑張りましたよ」
「あぁ?」
レクターはジエンマの迫力にビビりながらも、大切な人たちを守るためにジエンマに話しかける。
「今回は負けちゃったけど、僕はスティング君を誇りに思います」
「レクター・・・」
「僕は思うのです。人は敗北を知って強くもなれるって。スティング君は今回のことで多くのことを学びました。ですから今回のことは―――」
レクターが最後の言葉を発するよりも早く、ジエンマが口を挟む。それも誰も予想できていなかったことを。
「誰だうぬは?」
「え!?」
レクターはジエンマが自分のことを忘れていると思い、彼に見えるように服をまくり上げて背中に刻まれたギルドマークを向ける。
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