第九十一話
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ゲーマーらしいその発想に感心していると、何故かシリカから呆れたようにツッコミが入る。そんな生首は次にルクスを見つけると、少し見惚れたように顔を赤くした。
「リーファちゃんの友達なんですよね? こんな格好ですけど……レコンです。よろしくお願いします」
「こちらこそ。ルクスだ、よろしく頼むよ」
「そんなことより、レコン!」
ルクスの妙な口調にキョトンとしたレコンが聞き返すより早く、生首に視線を合わせたリズが問う。
「あんた、他のグループも見てきたでしょ? 何か注目浴びてるメンバーとかいなかった?」
「それなら……向こうの方で、剣舞してる人とか凄い人だかりだったかなぁ」
向こうの方、という方角をレコンが視線で示す。何せ腕まで埋まって、視線しか動かせないのだから。といってもリーファを探すのを最優先に行動していたらしく、レコンにそれ以上の情報はなかったようだが。
「リズ。片付けは俺がやっとくから、偵察にでも行ってきたらどうだ?」
「うーん……そうね、ちょっと偵察もありかもね」
リズの考えていたことを察しながらそう話しかけると、リズは悩みながらそう結論づける。参加者以外が視線を合わせた分だけ相手のポイントになってしまうので、俺は片付けという名目で残ることにするが。
「そうね、何かポイントに秘密もあるかもしれないし」
「も、ち、ろ、ん。ただ偵察するだけじゃないけどね?」
「えっ」
そう言いながらリズはどこからか――いや、当然アイテムストレージからだが――様々なコスプレ用の服を取り出していた。その服たちもそれぞれ職人の腕が感じられ、どうやらアシュレイさんの店から持ち出してきていたらしい。俺の勘違いでなければ、これは水着コンテストなのだが。
「リズさん……これ水着コンテストですよ……」
「その固定観念を打ち破るのよ! それじゃあショウキ、片付けよろしく!」
そんなことをかしましく相談しながら、時間を無駄には出来ないと四人は砂浜を駆け出していく。その集団に付いて行けないことを残念に思いながら――同時に、少しホッとしながら――生首と一緒にその場所に残る。
「レコン、どうしてあんなことしてたんだ?」
「ほら、邪魔しちゃいけないと思って……陰から見守ってようと……」
何故物陰から見守る必要がある――と続けながら、俺は即席だがお世話になった《リズベット焼きそば店》に手をかけて一息つきながら、少しだけ焼きそばの元が余っていたことに気づく。
「レコン、焼きそば食べるか?」
「この状況でどうやって食べろって言うのさ」
それもまたごもっともである。焼きそばを食べる生首など、正直こちらも見たい景色でもない。さてどうするか、と思っていると、目
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