暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
孤独を歌う者 4
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、誰かじゃなくてきっと、貴方自身ね。
 ごめんなさい、レゾネクト。アルフリードの強さが私達にもあれば、貴方も私達の仲間になれたかも知れないわ。
 でも、それは過去の話。
 私達は貴方に殺されたの。
 事実は事実のまま、貴方に映す。
 「さようなら、魔王レゾネクト」
 間違えてしまった分だけは、貴方の想いに心から応えようと思う。
 貴方が望んでくれた本当の笑顔を……遺すわ。
 「ありがとう」



 「母さん!」
 冗談だろ!?
 母さんは死んでなんかない! 生きてるじゃないか!
 せっかく会えたのに、殺されてたまるかよ!!
 「母さ……ッ!」
 「ロザリア!」
 空間を跳ぼうとして、弾かれた。
 吹っ飛びそうになった体を、クロスツェルの腕が引っ張って支える。
 ……レゾネクトが移動を妨害してる。
 なんで。
 なんでだよ!?
 笑って欲しいんじゃないのかよ!!
 「レゾネクト!」
 私の声に応えた若い姿のレゾネクトが、神殿の中心に現れた。
 「……これを、お前に返す」
 「!」
 幼女に差し出したのは、いつからかレゾネクトが当たり前にぶら下げていた、アリアを表す水鳥と月桂樹を模した銀色のペンダント。
 幼女の手に収まった途端、それは形を変え……母さんの目と同じ色の宝石を填めた片翼型のブローチになった。
 幼女の顔が、驚愕に染まる。
 「この空間だけは壊すぞ」
 言うなり、宝石がピキッと音を立ててひび割れ……粉々に砕け散った。
 「……っあ……ああぁああッ!!」
 遠見で繋がっていた空間が。
 母さんが。
 レゾネクト本体が。
 壊れ…………


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