Fate/stay night
1176話
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い出し、居間へと急ぐのだった。
こういう時、武家屋敷的な感じで広い衛宮の家って不便だよな。
いや、心の整理という意味では寧ろ丁度良かったのかもしれないが。
そうして居間へと入ったのだが……
『……』
そこに入った俺達へと向けられたのは、何とも言えない気まずいような視線だった。
俺と視線が合うと、衛宮や桜、セイバー、イリヤはそっと視線を逸らす。
セラは自分は関係ありませんという態度をしており、唯一リズだけは何が原因でこんな事になっているのかが分からない様子で周囲を見回している。
いや、それはライダーも同じか。ただし、こっちはにこやかな笑みを浮かべているが。
そんなどこか気まずい沈黙の中、最初に口を開いたのは当然と言うべきか、俺。
「待たせたか?」
「……いや、さっき食事の用意が出来たばかりだ。そういう意味では丁度良かったよ」
そう告げる衛宮の視線の先には、テーブルの上に置かれている朝食のメニュー。
和食って事は……これは衛宮が作ったのか?
確か洋食は桜の方が既に上だとか何とかあった気がするが、和食はまだ衛宮の方が上なんだよな。
もっとも、朝食だけあってそんなに凝ったメニューって訳じゃない。
アジの干物に、厚焼き卵、つくね、たらことほうれん草の和え物、おひたし、味噌汁、漬け物。
そんな日本らしい朝食にいい意味で驚き、テーブルに座る。
「そう言えば衛宮君。今日は藤村先生は来ないの? 確か食事は朝も夜も衛宮君の家で食べてるって話だったけど」
話のとっかかりにしようとしたのか、凛が衛宮にそう告げる。
話し掛けられた衛宮は、そんな凛の顔を見て……次の瞬間には気まずそうに視線を逸らしてから口を開く。
「ああ。藤ねえは朝早く一旦来たんだけど、すぐにまた出掛けなきゃないけなくなったって話だったから、弁当を持たせてやったんだ」
あー……うん、この凛に対する態度を見てはっきりした。
衛宮は昨夜俺の部屋でどんな行為が行われていたのかってのを理解してるな。
確かそっち関係の感情は殆ど発達してなかったと思うけど、この世界では違うのか?
あるいは、桜やセイバー辺りが原作の凛の代わりに頑張ってどうにかした可能性もあるか。
元々凛に憧れていた衛宮だ。綾子とも友人同士だったって話だし、そんな2人が俺に……それも自分の家でそういう行為をしたとなれば、色々と複雑なのは理解出来る。
後でチクリと何か言われるかもな。
「せ、先輩。そろそろ皆揃った事ですしご飯にしましょう。今日は忙しくなるんですから、早く食べておかないと」
「そ、そうだな。うん。そうしよう」
「それに、先輩達もお腹が空いてるでしょうし」
桜のその一言は、何気なく呟かれたものだったのだろう。
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