第8章 第5次イゼルローン要塞攻略戦 前編
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うして、激戦の10時間は流れて行ったが、
その10時間のうちにローゼンリッター連隊の援護に向かった2個巡航群は衛星軌道上に到達し援護任務に就いていた。
そして、予定通り敵は再奪取に向けて2個戦艦群を基幹とする奪還部隊を送り込んできた。
この援護に向かった2個巡航艦群の司令官はなんとエリー・パスカル准将であった。
エリー准将はシトレ大将に
「これより敵を迎撃します。」
と一言報告して迎撃にあたった。
その顔にはまるで今からどこか遊びに行くような少女のような笑みを浮かべていた。
周りの参謀たちは
「誰だ?あの准将は?」
というような感じで見ていたがシトレ大将は
「了解した。
楽しんで来い。」
と一言だけ言った。
実は、エリー准将はシトレ大将の教え子でシトレ大将が士官学校の教官をしていた時作戦を教えていたらしい。
2時間後には結果が出てきた。
エリー准将は少々小細工を使って敵を撃破したようであった。
その小細工というのは味方の旧式強襲揚陸艦を何と10隻も使ってわざと敵の侵入方向に飛ばして敵が拿捕しようとした瞬間に強襲揚陸艦を爆発させて敵に混乱を与えて、小惑星群に潜んでいたエリー准将が敵部隊をたった2個巡航群で包囲撃滅するという作戦であった。
考えたのは、司令部からエリー准将の指名でいきなり作戦参謀として引き抜かれたヤン・ウェンリー少佐であった。
「暇人」扱いされていたヤン少佐はシトレ大将から
「エリーがどうしても貴官をというのでな。たまには超過給料分の仕事をして来い」
と言われてやってきたらしいがエリー准将実はヤン少佐士官学校生のときから目をつけていた士官らしくぜひとも自分の司令部でということで引き抜かれたらしい。
エリー准将は艦艇指揮官としては優秀だが奇策を思いつく参謀としては並だから少佐を呼んだのは正解といえる。とアラン少佐はその引き抜きが決まった時点で言っていた。
アラン少佐はエリー准将が中佐のときで宙陸両用隊指揮官代理を務めていた時の副官として最初の任地だったそうでその時は驚きであったがリューネブルク大尉(当時 ただし、宇宙歴790年4月の「ケブラー第6衛星群攻略戦」で亡命したため宇宙歴792年の時点で帝国軍准将)が参謀としてついていたらしく、ありとあらゆる奇策を考えだし、作戦では無視できない戦果を挙げていたそうだ。
しかし、エリー准将の中佐から大佐への昇進とリューネブルク大尉の少佐への昇進とローゼンリッター連隊からの出向期間終了によりそのコンビは解消されたが互いに交流は続けていたらしい。
そういうこともあってリューネブルク大佐の単独亡命はショックだったそうだ。
敵の再奪取部隊へは約5割近い損害を与え撤退させ、ローゼンリッター連隊は無事敵駐留艦隊基地の制圧を完了し、帝国軍の残敵掃討作戦に移行しつつあり
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