暁 〜小説投稿サイト〜
ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第8章 第5次イゼルローン要塞攻略戦 前編
[1/6]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 宇宙歴792年5月6日 第5次イゼルローン要塞攻略戦の火ぶたはシトレ大将の一斉砲撃命令で切って落とされた。
私は攻略軍総司令部の作戦課陸戦作戦班の特別参謀(非常勤臨時参謀のことであり、また、技術参謀と同様に陸戦作戦における発言権しかない微妙な立ち位置であった)として組み込まれていた。
最初の一斉砲撃で陣地編成中の敵駐留艦隊は一時期的ながら陥ることになった。
しかし、敵の艦隊司令官は優秀らしくすぐさま艦隊を編成してきた。
わが軍はトールハンマーの射程域に入れないので、遠距離砲による精密射撃を行う。
敵も負けじと打ち返してくる。
徐々に敵が前進してきて我々も距離を保つように交戦する。
やがて、交戦宙域はトールハンマーの射程域外になる。
すると、
シトレ大将は2個巡航艦群を基幹とする高速機動集団に急速前進を命じる。
高速機動集団は下方からの侵入を見せびらかすかのように動く。
敵の1個群くらいのある程度の規模の艦隊が動く。
すると、それに向けて駆逐隊やスパルタニアンがどこからともなくあらわれて逆撃を加える。
そこを高速機動集団は突破し、防御網の薄くなったところに侵入し、不意を突かれた敵艦隊はその穴を埋めようとするが、穴は大きなって行く。
結果としてそのブロックの宙域は同盟軍が確保することとなった。
といったように、いくつもの小宙域の争奪戦が行われている。
艦隊戦の状況を片目に見ながら私はローゼンリッター連隊が所属する第23宙陸両用群による周辺即応艦隊駐留衛星攻略作戦のオペレーターの仕事を果たしていた。
艦隊戦開始3時間前に陽動も兼ねた降下作戦が開始された。
第12.13白兵戦連隊は先ほど敵の前哨基地の攻略を完了し、衛星軌道上には護衛艦艇を配置したと報告してきた。それに対し第442特殊強襲白兵戦連隊はすでに前哨基地およびミサイル基地の攻略を完了し、敵駐留艦隊基地を制圧中という異常な速さで攻略戦が進んでいた。
司令部(私)との会話をしていたシェーンコップ中佐はどうやら自ら砲撃観測小隊を率いて砲撃指示を出していたそうで、彼の装甲服は血まみれだった。
その次に出てきたのがローゼンリッター連隊の連隊砲兵隊指揮官であった士官学校2期上のマリノ・カルナック少佐から砲撃開始を報告してきた。
ローゼンリッター連隊の作戦進行が明らかに早すぎる。
敵の罠の可能性もあるなと思い陸戦作戦班長のアラン・ロックベル少佐に申告したところ
「それもありうるな。
第23宙陸両用群の予備戦力はどれくらいある?」
私は編成表を見ながら
「地上戦力は第34白兵戦連隊戦闘団および第9…」
と言おうとした私を遮ってアラン少佐は
「いや、違う。
宇宙戦力のほうだ。」
私は「?」という感じであったがとりあえず宇宙戦力の編成表をめくった。
その時私は思わ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ