第十三話「銀髪と眼帯とロリにはご用心?」
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持ち上げて、その先をラウラへ向けるヴォルフ。そんな彼にラウラは鼻で笑った。
「フン……何者かは知らぬが、誇り高きドイツ軍人であるこの私を……」
シュッ……!
刹那、ラウラの間合いへヴォルフが入りこんでいた。
「遅い」
そして、気付いたときにはシュヴァルツァ・レーゲンのシールドが2ケタを切り、残量が4となった。
地面へ膝をつく彼女を、ヴォルフが見下ろした。
「力量を知るため、ほんの小手調べだったのだが……その程度か?」
「き、キサマァ……!」
「俺も、貴様と同じ誇り高きドイツ軍人だ……」
「!?」
その言葉を、そっくりそのまま返すかのように母国語で話すヴォルフに、ラウラは目を丸くした。
「ば、バカな……! 同じドイツ軍人とはいえ、この私が……!?」
腹部を抱えながら、立ち上がるラウラに、今度は逆にヴォルフが鼻で笑う。
「黒兎といえども、所詮は黒い毛を被った兎。寒地を流離う黒狼の前には単なる獲物に過ぎん」
「何を……!?」
「死ね」
ヴォルフの大剣が、ラウラの頭上へ振り下ろされる。その時。
「貴様ら! そこで何をしている!?」
剣幕を上げて、アリーナへ入ってくる千冬がいた。
――邪魔が入ったか……
ヴォルフは、振り下ろす大剣をピタリと止めると、静かにその剣を粒子化させて収めた。
「何者だ? お前は……」
ラルフの時と同じような登場をした青年を、千冬は睨み付ける。
「今日からこの学園へ転校する者です……」
「転校? ああ……政府からそのような通達が届いていたな? まったく、次から次へ変な奴らがウチに押しかけてくるから困る……」
ため息をついて額に手を添える千冬を見て、ヴォルフはムッとした。
――ブリュンヒルでが、これほど柄が悪いとはな?
小さなため息をつくヴォルフに、千冬はまた尋ねる。
「……で、先ほどの騒ぎは何だ?」
「喧嘩を止めたまでです……」
「ほぉ……?」
と、千冬は俺たちとラウラを見た。時期にヴォルフへ向き直ると、呆れた顔をした。
「ここは学園だ。いくら仲裁に入ろうとしても、無許可でISを展開するな? ま、今回はいろいろとあるため、見逃してやる」
「どうも……」
呆れた顔で、ヴォルフは頷いた。
「それと、そこの三人も早く教室へ戻れ! もう授業が始まっているぞ!?」
「はい……」
俺たちも、彼同様に呆れた顔をする。まったく、喧嘩が起こったというのに解決しようともしないでそのまま勤務に戻るのかよ?
「今回は見逃す……」
ヴォルフはラウラを背にそう言い残してアリーナを後にした。そして、彼は俺たちの元へ歩み寄る。
「ドイツ支部から来た、ヴォルフ・ラインバルトだ。よろしく」
やや、微笑んだ表情で俺たちに挨拶をする。
「ああ、日本の鎖火狼だ。それと、こちらが……」
「織斑一夏だな
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