第十三話「銀髪と眼帯とロリにはご用心?」
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「貴様が、織斑一夏か?」
と、不愛想に尋ねる彼女にボンヤリとした一夏は、「ああ……」とつまらなそうな顔をして返事を返した。どうせ、また千冬の熱狂的なファンの一人だろ? 脅し染みた嫌味でも言うに違いない。が……
ぺチンッ……!
「痛……!?」
気が付くと、一夏の頬がジンジンと赤く腫れていた。ラウラは、会って早々に一夏へ平手打ちを挨拶かのように放ったのである。
「な、何すんだよ!?」
当然一夏は怒るが、ラウラは構うことなく平然とこう述べる。
「貴様など認めんぞ……お前が、あの人の弟だなんて!」
「あ? テメェ……姉貴の知り合いか?」
と、頬を撫でながら問う一夏に、ラウラはさらに怒る。
「気安くあの人のことを……」
刹那、ラウラの腹部に衝撃が襲った。そして彼女は教卓に叩き付けられていたのだ。
「おいおい? ドイツってのは、あいさつ代わりに人を殴るのが風習なのか?」
RSの力の一部を開放した一夏が反撃した。
「ぐぅ……貴様ぁ!」
「織斑センセー、コイツ追い出していいですかー?」
と、棒読みで千冬に聞く一夏。
「何をしている貴様ら! とっとと席につかんか!?」
しかし、今頃気づいたのかと千冬は俺たちに注意した。
――コイツ、半分面白がってんな?
一夏は、そう千冬を嫌な目で見た。最初は行き成り自分の弟を引っ叩いたラウラに驚いただろうが、その後の展開が妙に面白そうだと思って彼女はそのまま見届けたのだろう。
「……わ、私は認めない! 貴様何ぞ、認めるものか!?」
「おう! ケンカならいつでもかかってこい!!」
同時刻、IS学園正門ゲート前にて
正門の管理ボックスの中に、女性警備員が涎を垂らしながら額を窓に当てて気絶していた。
そんな彼女の前を、サングラスをかけた一人の若い青年が平然と通り過ぎて、学園の敷地へ入っていった。ラルフのように黒いジャケットとショルダーアーマーと肘と膝にプロテクターを付けた身形で、オールバックの垂らした前髪が風に揺れる。
「IS学園の警備とは、この程度か……?」
サングラス越しから見渡す青年の目は、IS学園ともあろう日本の誇る巨大施設がこれほどまで警備が緩く、全てが非力な女性陣ばかりで取り仕切られていることに呆れていた。
――平和ボケというやつか?
いや……それもあるが、やはり「女尊男卑」による影響の一つだ。女性ばかりが有利になりすぎた挙句、重要な役割までもが男女問わずに女性限定になってしまった。今に、女性なら誰でも高給取りになれる世の中が訪れるかもしれない。実に、世も末だ。
「こちらヴォルフ、たった今IS学園に入ったところだ」
ホログラム通信を起動させて、ヴォルフという青年は本部との連絡を取った。
『門番はどうした?』
本部からは、ヴォルフよりも年上の青年の声が聞こえた。
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