第十三話「銀髪と眼帯とロリにはご用心?」
[2/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
してんだ?」
と、そこへ俺が現れる。
「お、狼か? なに、臨海学校の計画でも考えていたところさ?」
「ああ……そういや、今月末に行く予定だったな?」
「だろ? ああ、早くその日が来ないかな〜?」
「随分楽しそうだな? けど、合宿だぞ? 合宿って言うと一日中、海上で行う模擬授業をする予定だから、面白いもんじゃないだろ?」
「狼は知らないな〜?」
と、太智がニヤニヤして俺の顔を見上げた。
「何だよ?」
「ふっふっふ……自由時間に海水浴をやるんだぜ? きわどい女共の水着を写真に収めまくるチャンスじゃないか?」
「何だ、太智って女嫌いじゃないのか?」
いつも、女子たちに悪戯をし続けるこいつを、俺は今まで女嫌いな人間かと思っていたのだ。
「おいおい? それをいうと、俺がホモって思われるじゃねぇか? 女に興味ないが、女の体には興味があるんだよ?」
「ああ……そういうことね?」
俺は、傍に居る清二同様に苦笑いした。
その後、朝のホームルームが始まり、いつものように厳格な千冬が教室に入場し、教卓で仁王立ちをして、彼女の隣に相棒のように山田先生が出席を取っていた。
「シャルル君とラルフ君は、突然の用事が出来て急遽フランスへ一旦帰っちゃうことになりました。でも、近いうちにこちらへ帰ってくるそうですよ?」
と、山田先生は転校してきた二人の美男子の事情を話した。周囲のファンの娘たちは、とても残念がった。特にショタ系が好きな女子や、美青年にいじられたいというMっ子の変態女子共は大いに悲しんでいるだろう。
「そして! 今日は、なんと皆さんのクラスに転入生がもう一人入ってきます」
と、シャルルやラルフが出て行って早々に再び転校生が現れることになった。
「転校生? シャルルやラルフが去ってから早々だな?」
一夏は、あくびをしながらそう呟いた。
しかし、教室に入ってきた生徒は凰と同じ小柄な女子生徒である。それも銀髪で眼帯をした少女であった。それも、制服すらスカートではなくズボンと長靴だった。
――うわぁ……また変な奴が現れたわ?
また、厄介ごとにならないようにと俺は心から願った。
「ドイツから来た、ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
と、まるで軍人のように堅苦しい態度で紹介も一言で済ませた。
「い、以上ですか?」
と、山田先生。
「以上だ」
キッパリ答える転校生だが、そんな彼女に千冬が近づいた。
「自己紹介だ。まともにやれ……」
「はい、教官」
「教官ではなく先生と呼べ?」
――ん……?
その会話を聞いて、俺は千冬とそのラウラという転校生を見た。会話からするにラウラは千冬の教え子なのか? しかし、教官と言っていたから千冬が前にどういうところにいたのかはわからないな……
すると、ラウラは目の前の席に座る一夏へと歩み寄ってきた。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ