Fate/stay night
1175話
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「んー……あ……」
ふと、目が覚める。
冬の為か、まだカーテン越しにでも分かる程に暗い中、身動きが出来ない状態である事に気が付く。
柔らかで、それでいて滑らかな感触。
左右両方から感じるその滑らかさに視線を向けると、そこにはぐっすりと眠っている凛と綾子の姿。
当然ながら2人とも服を一切着ていないのだが……残念ながら俺の手や唇の触れていない場所が1つもないその裸身は、現在布団に隠されている。
そして、部屋に漂っているのは昨夜の俺達がどんな行為をしたのか示すかのような臭い。
……うん、このままだと色々と危険なのは事実だ。それこそ危険が危ないという具合に。
幾らここが衛宮の部屋から離れているとしても、この部屋に入ってこられれば間違いなく気が付く。
いや、衛宮だけならともかく、サーヴァントとして感覚が人間よりも鋭いセイバーやライダーなら、部屋に入らなくても俺達の身体から発している臭いで気が付きかねない。
まさか、衛宮に昨日凛と綾子を散々抱いた臭いを消したいから風呂を貸してくれなんて言えないし、言ったら下手をすればトレース・オンとか言い出しかねない。
どうするか……そう迷ったところで、考えはすぐに纏まった。
ようは、衛宮の家で風呂に入る事が出来ないのなら、凛の家に戻ればいいだけじゃないかと。
幸い、俺は影のゲートを使える。
なら、凛の家に戻るのはそう難しい話じゃない。
そう判断し、俺の隣で昨夜の件で疲れ果てて寝息を立てている凛と綾子を起こしに掛かる。
あれだけ激しく体力を消耗したのに、それでも幸せそうな顔をして眠っているのは、記憶を取り戻した俺がしっかりとこの2人を受け入れたから……と思うのは、俺の自惚れが強すぎるか?
「凛、綾子、起きろ。このままだと色々と不味い事態になるぞ」
臭い云々もそうだが、それ以前に誰かが俺達を起こしに来て今の光景を見たら、確実に不味い事態になる。
臭い云々とかいう問題じゃなく。
「うう……ん……何よ……あれだけやって、まだしたりないの? 今夜また相手をしてあげるから、もう少し休ませて……」
「遠坂の言う通り……もう少し眠らせてくれ……」
「いや、そうじゃなくて。起きろって。このままここで寝ていると、誰かが起こしに来た時に思いきり見られるぞ。それに、俺はお前達の身体を俺以外の男に見せるつもりはないからな」
夢心地でも俺の声はしっかりと聞こえていたのだろう。凛と綾子は俺に抱きつく力を増し、その柔らかい身体を押しつけてくる。
うん、やっぱり綾子の方が胸は圧倒的に大きいな。ただ、肌の滑らかさでは凛の方が上だ。……じゃなくて。
「それに、このままだと昨夜の行為の臭いをそのままに皆の前に出て行く事になる。俺は別に構わないけど、凛や綾子は女
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