Fate/stay night
1175話
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に書き置きを残してから影へと沈んでいく。
「うわぁ……分かってたけど、寒いわね。ちょっと待ってて。すぐにお風呂の準備をしてくるから」
凛がそう告げると、風呂場へと向かう。
この家は洋風なのを考えると、バスルームって呼んだ方がいいのか?
ともあれ風呂の用意をする為に向かって行った凛だったが、確かにこの家の中は寒い。
当然だろう。ただでさえ外は2月と寒い時期であり、この家には昨夜は誰もいなかったのだ。それを考えると、冷え切っていてもおかしくはない。
凛の機械音痴ぶりを考えれば、気温が一定以下になったら自動的に部屋を暖めるようにエアコンを操作するとか無理だろうし。
ああ、でも魔術でなら同じような事も出来るか。
「ともあれ……風邪を引かれても困るな」
呟き、手を白炎へと変えて犬の炎獣を作り、凛の方へと向かわせる。
熱過ぎず、冷た過ぎない、30℃に届かない程度の温度を持ったその炎獣は、凛を追い掛けて廊下を走り出す。
「綾子、こっちに」
「え? あ、うん」
犬の炎獣を見ていた綾子の手を取って抱き寄せると、俺自身の身体を今の犬の炎獣と変わらない30℃程度の温度を持つ炎へと変える。
「わぁ!? ……うん? 暖かい?」
「湯たんぽならぬ、炎たんぽってところか。それに、こうしていれば綾子も俺にくっつきやすいだろ?」
「……馬鹿」
拗ねたように呟く綾子に、笑みを浮かべて抱きしめる。
俺が暖かいという意味ではなく、別の意味で頬を薄らと赤く染める綾子。
そのまま2人で抱き合っていると、やがて凛が炎獣を抱きしめながらこっちに近づいてくる。
そうして俺と綾子のやり取りを見ると、溜息を吐いて口を開く。
「随分とお盛んな事ね」
「何だ、羨ましいのか?」
「ちょっ、何でそうなるのよ!」
「いいから、ほら、お前も来い」
影槍を伸ばして凛を捕まえ、こっちに引き寄せる。
凛は小さく悲鳴を上げつつも、そのまま影槍に身を委ねるようにして俺の側へとやってくる。
俺に触れた犬の炎獣が同化するように消えるのを見ながら、綾子と同時に凛もしっかりと抱きしめる。
「……もう」
照れで頬を赤く染めている凛。
そんな凛の、寝起きだからかいつもと違ってストレートの髪型を撫でる。
「この髪型の凛を見る事が出来るのは、俺だけの特権だな」
寝起きだからこその凛のこの様子は、学校で凛に憧れている男達は決して見る事が出来ないだろう。
まさに、俺だけの特権なのは間違いない。
「いいから、ほら。取りあえず今のうちに着替えの用意とかをしてくるわよ。衛宮君の家に置いてある物を持ってこなかったんだし」
俺の言葉に薄らと頬を隠しながら、凛が綾子を引っ張っ
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