第一章 目覚めるその力
第二話 遺産の村
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た目から村長の男の言う通り、建築されてからそれほど時間も経っていないように見える。
一つの階に部屋は8つ。合計24部屋なり。家賃も必要ないので金欠病の方にもご利用いただけます。
集合住宅ということで部屋の小ささが懸念されるものだが、こういうのは存外外見よりも広いものである。先に村長が狭いと言ってくれたのも要因か。
既に荷物運びと設置は終了している。
二人はこれからハンターズギルドの出張所が置かれている集会所に向かおうとしていた。
飛行船から降りてから先程荷物を中へと入れるまでは軽装だったが、ここからはまた、体裁を持つためにそれぞれの装備を身に付けている。武器まで持っている。頭の装備は別に抱えているが。
ただ、リューガは満更でもないらしい。「俺はこっちが似合ってるしさ」だそうだ。
集会所。先述の通り、ハンターズギルドの出張所が設けられている施設だ。様々な理由──例えば距離上の問題など──により、市街にあるギルド支部へ赴くことが出来ない村付きハンター達にも、遠方の依頼を受けさせるために、この出張所は設けられている。
ちなみにハンターズギルドの本部はドンドルマという街にある。実はリューガ達はこのドンドルマから派遣されているのだが、このドンドルマからラーガ村までではかなりの距離がある。どれくらいかと言うと、あまり具体的には表せないが、この二つは海を隔てた別の大陸にそれぞれ存在している、ということを考慮すれば、少なくとも簡単に往復できる距離ではないことは察して頂けるだろう。
そのドンドルマを筆頭に、世界中の街にギルド支部が点在し、その支部が周辺の出張所を管轄している、ということである。
閑話休題。
この集会所は、大きさ自体は宿舎に劣るが、そのデザインや設備などを加味すると、こちらの方が手間がかかっているのは明白だ。かといってきらびやか過ぎるという訳でもない。周囲の環境との調和は当然とれている。
二人はこの建物へと向かっていた。先程までと違うのはリューガが前ということである。
「ウキウキしてるね」
当然ジーノもそれを指摘した。
「悪かねえだろ?」
「……まあ、君らしいかな」
勿論悪いことではない。笑顔はいいものである。
にこやかな会話を交わしている間に、集会所の正面玄関に到着していた。そしてリューガがドアを引き開け、中に入ろうとしたその時。
一人の少女もまた、外へと出ようとしていた。
「うおっ」
「わっ」
狭いドアのところで鉢合わせたため、危うくぶつかりそうになるリューガと少女。
その時、何故だか、リューガは彼女をじっと見つめた。
リューガと同様の黒髪はショートボブにされていて、しかしリューガと違い綺麗に手入れされている。
顔立ちはくっきりとしていて、体つきは華奢だが細
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