いざ、ボス戦へ
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のか?」
俺が知っているシノンと言えば、ガンシューティング等の射撃戦闘を得意としていた事くらいだが、この世界は剣が主な武器となるため、シノンが適しているのかわからないのである。
「一応…ナイフ使ってるけど。
それに、私一人戦えないなんて嫌だし…ボスって言うのも経験しておきたいから」
ナイフ…か。
初心者にはもってこいの武器だが、使いなれていなくてはただの棒となってしまう。
しかしながらこの世界のシノンはゲーム自体が初心者の状態だ。
ならば戦うこと自体も初めてに近いものなのではないだろうか?
「ボスって言うのは体力的にかなりあるモンスターを指すんだが…HPを削っている間にも反撃が来ない訳じゃない。
そう言った不確定要素において死なないなんてことは考えられないんだ」
「知ってるわよ、それくらい。
だけど私だって戦えるし足手まといなんてごめんよ。経験積んで強くなって、この世界から抜け出すんだから」
「………わかった」
いざとなれば俺が身代わりくらいになれるはずだし、例え死んでも肉体が死ぬことはない。
こうなったら意地でもシノンを守り抜くことにしておこう。
「ん、ありがと」
こうして俺はシノンとパーティを組み、76層のボス戦へと向かった。
「それでは皆さん、生きて帰ってきましょう!」
アスナがそう号令をかけ、ボスの扉を開く。
各自がそれに続き、ぞろぞろと中へと入っていく。
そして俺とシノンの番になったその時、事は起こった。
”バヂィッ”
「うおぁっ!?」
突然、ボスの扉に膜が張ったかと思うと、俺を弾くようにして吹き飛ばした。
「な…どうなってやがる」
「どうしたの?」
一度中にはいったシノンが戻ってきてそう訪ねた。
「……どうやら俺だけ入れないらしいな…」
「…どういうこと?」
試しにもう一度中へと入ろうとしたが、やはり膜が俺の侵入を拒むように弾き返してくる。
「何してるの!もう戦闘は始まってるのよ!」
アスナが俺に気づき、起こるようにして怒鳴る。
「すまん。どうやら俺は中へ入れないらしい」
「はあっ!?何言って…」
「俺は無視しろ!先ずはボスを倒してこい!」
アスナは俺を一睨みして、中へと走っていった。
「すまんなシノン。
ボスの体験は持ち越しになる」
「入れないならしょうがないわよ。
でも…この埋め合わせはしてもらうから」
「了解だ」
俺はやるせない気持ちを押し止め、転移結晶を用いてシノンと一緒にアークソフィアへと帰還するのだった。
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