2部分:第二章
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第二章
アマゾンに確かに魅力を感じた。そしてアマゾンを冒険したいという本を読んでからの夢はさらに大きくなりそうしてだった。
小学校、中学校、高校、大学と進んだ。高校から理系になり生物学のコースを選んだ。それは何故かというと。
アマゾンの生物を研究する為だ。その他にも植物学も学んだ。そうしたことを学び彼は生物学者として大学の講師になった。その講師の立場からだ。
アマゾンに、遂に子供の頃からの夢であるアマゾンに入った。アマゾン川を下るその船の中でだ。彼は満面の笑顔で同船しているスタッフ達に言った。
今彼は船の外に出てそのうえで外を見回している。生まれてはじめてその目で直接見るアマゾンを楽しみながらの言葉だ。
「ずっとね。こうして冒険に入りたかったんだ」
「冒険ですか」
「それがしたかったんですか」
「僕は学者だけれどね。それでもね」
こうだ。アマゾン川のその青というよりは黒い大河にその左右に何処までも拡がる緑の密林を見ながら言うのだった。
「冒険したかったんだ、このアマゾンをね」
「そうですか。だからですか」
「それでなんですか」
「うん。勉強して学者になったのもね」
学者になったのもその為だというのだ。アマゾンを冒険する為に。
「この為だからね。それじゃあ今からアマゾンを冒険するか」
あの本で読んだアマゾン、彼を魅了したこの地の冒険をはじめるのだった。彼は今生涯の夢を叶えに入った。
だが、だった。アマゾンは広い。とにかくあまりにも広い。
冒険が終わる期日が来た。彼は日本の自分の大学に帰らなくてはならなくなった。そもそも冒険とは言うがここに来たのはあくまでアマゾンの生態系の研究の為だ。仕事の表向きの理由はこれであった。
それならもう帰らなくてはならない。彼の堪能の時間は終わった。
それで後ろ髪を引かれる思いで日本に戻る。だがそのアマゾンを出る時にだった。
彼は日本語でアマゾンを振り返りながらだ。こう言った。
「また戻って来るよ」
「何かマッカーサーみたいですね」
「そんな感じですね」
「マッカーサーは一回だけれど僕は違うよ」
これが彼の言葉だった。
「何度でも冒険するよ。このアマゾンをね」
「今は帰ってもですね」
「それでも」
「うん、また戻るから。そして」
彼は最後に言った。この言葉を。
「アマゾンを何度も何度も冒険して。隅々まで見てみせるよ」
彼を魅了したアマゾンをだ。そうするというのだった。
彼はそれから一生、結婚して家庭ができ教授になってもだった。何度も何度もアマゾンを冒険した。そうして彼はアマゾンを愛し続けたのだ。彼が子供の頃に本で読んで以来の思いを堪能し続けたのだ。彼は幸せな冒険の人生を送った。アマゾンと出会うことにより。
緑の地
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