一章
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物にならないほどに離れていた。男が小さいわけでも華奢なわけでもない。ただ、ティナ持ちが大きすぎた。絶望的な差に街の人は顔を青くする
しかし、当の本人は臆することもなくタバコを吸っていた
「こいつかぁ?ガリガリ。こいつを殺ればいいんだな?」
「ガリガリ言うな!……まぁそうだ。そいつを殺せ!おや、やっぱり痛ぶって痛ぶりまくってから……」
「おれぁ加減なんかできねぇよ。こんなチビッ子捻り潰してやる」
ティナ持ちは武器もなにも持っていなかった。しかし、無造作に振り上げられた拳は目に見えて姿を変えていく
「……へぇ?強化型か」
「そうだよ、チビ!おれはティナ"岩石"の所有者!体を岩に変えることができる!!」
拳は地に突き刺さり、大地に大きくヒビをいれた。男はひらりとかわし、タバコをくわえたままニヤリと笑う。
強化型
肉体強化のティナ。
このティナ持ちの場合だと、肉体の性質を岩にかえ、また体から岩を放出することができる。現存する岩を操ったり岩の性質を変えたりすることはできないが、純粋な戦闘能力強化のティナだ。地を割る攻撃に、剣をも通さない体。まず、銃では話にならないだろう
男もそう考えたのか銃をしまい、ティナ持ちの豪快な攻撃をかわしていく
「手も足も出せねぇのか!?小僧!かかってこいよぉ!!」
「おまえ、そのティナの代償は?」
男は冷静だった。嵐のように降り注ぐ岩にも拳にも、まるで恐れてはいない
「安いもんさ!おれはこれで酒しか飲めなくなった?そんだけのことよ!」
「たしかにしょーもねぇ代償だな」
男はまるでどこに攻撃するかわかるように紙一重でかわしていく。最初はふざけていた赤ら顔のティナ持ちも、だんだんと目付きが真剣になり、力を込めて拳を放つ。しかし、どんな速度でも男は軽くかわした
「そろそろいいか。お前の能力の幅はわかった」
「あぁん!?」
ティナは先述したように3つのタイプに別れる。肉体の性質をかえる強化型は、戦闘強化のちから。能力型は見た目や肉体の強化はないが、未曾有の力を得る。場合によれば最強のタイプだ。最後の変形型は何らかの生き物の姿や力を得るもの。肉体の強化も能力もどちらもを可能にするが能力によって性質は大きく異なる
男はこのティナ持ちの能力を見抜いた。純粋な強化型であり、力にのみ頼るタイプ。わかってしまえば……
「あー……飽きた」
退屈なだけであった。
「てめぇ……さっきからうるせぇ!何処にもそんな余裕はねぇだろうがよ!」
ティナ持ちは巨大な岩石を作り出した。それは男が抱えられるギリギリの大きさ。店の一軒くらいは簡単に潰せてしまうくらいだ。観衆は悲鳴をあげてバラ
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