第一幕その五
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「どんな子達かね」
「私も見たことありますけれどかなり人間慣れしています」
恵梨香はトロットにこのことをお話しました。
「そのことは確かです」
「人を怖がらないのね」
「むしろ自分達の方が偉いって思ってる感じです」
「そんなに態度が大きいの」
「あの子達神様の使いですから」
恵梨香は鉄火巻きの後はイクラ巻きを食べました。
「春日大社の」
「あっ、神道の」
「日本の宗教のだね」
「神様の使い」
「その神社の」
四人もそれぞれ言います、恵梨香のお話を聞いて。
「それでだね」
「奈良の鹿は大事にされてて」
「それでかえって」
「態度が大きくなったんだね」
「そうなの、本当に大事にされてるから」
むしろ大事にされ過ぎているからです。
「凄い態度が大きいらしいの」
「甘やかし過ぎ?」
トロットは卵のお寿司を取りました、卵焼きのものです。
「ひょっとして」
「そうかも知れないです」
「誰でも悪いことをしたら怒られるけれど」
「あの子達はそういうことがないので」
「だから悪い子達になってるのね」
「そうみたいです」
「それはよくないわね」
事情を聞いてです、トロットは心配する様な口調になって言いました。
「やっぱり悪いことをしたら怒らないと」
「駄目ですよね」
「何もしなかったり言いがかりで怒ったらいけないけれど」
八つ当たりもです。
「けれどね」
「悪いことをしたらですね」
「怒ることよ」
「そうしないと本当に悪い子になりますね」
「ええ、そうよ」
こうしたお話をしながらです、皆でお寿司を食べました。その後で、でした。
お店を出るとです、実際にハンクはお店の入口の横で丸くなって寝ていました。それもとても気持ちよさそうに。
ですが皆が出て来るとです、すぐに起きてお顔を向けて言ってきました。
「やあ、美味しかったかな」
「ええ、とてもね」
にこりとしてです、トロットがハンクに答えました。
「お腹一杯食べてきたわ」
「それは何よりだね。それじゃあね」
「今からね」
「うん、行こう」
ハンクは立ち上がって首を横に振ってから言いました。
「他の場所にね」
「それで何処に行くの?」
「そうね、商店街を歩いて回ろうかしら」
トロットは少し考えてからハンクに答えました、
「そうしようかしら」
「今日はだね」
「ええ、夕方までね」
「それもいいね、それじゃあね」
「今日はそうして遊びましょう」
商店街の中を皆で歩いてというのです。
「お買いものもして」
「アクセサリー屋さんに行きませんか?」
恵梨香はこうトロットに提案しました。
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