14.天国と地獄の違い。それは天国には美女がいて、地獄には悪友がいる事。
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<海辺の修道院>
気が付くと視界には、白く清潔な天井が映った。
視界の隅には若く優しそうな美しい女性がこちらを見ている。
「ここは…天国ですか?」
「いえ、ここは「何、寝ぼけた事言ってんだ!」
視線を声のする方へ向けると、ヘンリーが人の悪そうな笑みを浮かべて立っている。
「はぁ〜、何だ…地獄か…」
俺は身体を起こしふて腐れる。
「美しい女神様が佇んでるから天国かと思ったのに。ヘンリーがいたよ!天国の訳無いね!死んでるのなら、ここは地獄だ。間違いないね!」
「お前なぁ…」
・
・
・
どうやら俺は三日間も意識を失っていた。
その間シスター・アンジェラが付きっきりで看病をしてくれたらしい。
俺、マリアさん、ヨシュアさん、ついでにヘンリーも無事助かり、この海辺の修道院にご厄介になっている。
「アンジェラさん!僕の為にありがとうございます!ついでと言ちゃぁなんだけど、まだ少し気分が優れないんです」
俺はアンジェラさんの両手を握り締めアンジェラさんに迫る。
「まぁ…大丈夫ですか?」
「アンジェラさんが添い寝をしてくれれば(ゲシ!)あた!」
ヘンリーの踵が後頭部にヒットする。
「シスターを口説くな!馬鹿者!」
「ど、どうやら元気になられた様で…」
アンジェラさんが顔を赤らめ去っていく。ああ〜ん…待ってー!
「何で人の恋路を邪魔するの?だいたい、命の恩人に対して酷くねぇ?」
そう俺はあの水路で四人の命を救った。
ヨシュアさんのヤリを投じて、10メートル程奥にあるスイッチを押したのだ!
すごくね!?
俺、すごくねぇ!?
「お前のそれは恋路じゃない!…まぁいい、それより来いよ。これからマリアさんのシスターとしての洗礼式があるんだ」
ほぅ…シスターとは益々俺好み。
洗礼式は厳かに行われた。
さすがに場の空気を読んだね俺、歌わなかったもん。
はぁ〜シスターかぁ〜…いいのぅ…
はっ!俺にはフレアさんっと言うシスターがいるではないか!
サンタローズに帰らないと!
あの胸に抱き付かないと!
「リュカ!目が覚めたか。心配したぞ」
フレアさんのオッパイを想像していたら、いつの間にか儀式は終わり、ヨシュアさんが俺に話し掛けてきた。
「私まで救って貰い感謝に絶えない。これからどうするのだ?私はここの留まり、マリアを守る為この修道院で働こうと思っている」
「僕は、サンタローズに帰らないと」
そう!あのオッパイに顔を埋めないと!!
「そうだ!リュカは一旦サンタローズへ帰り、パパスさんの遺言を実行するんだ!」
遺言!?
何だそれ?
…何だったけ?
「俺も付き合うぜリュカ!お前の母親を魔族の手から救い出す旅に!」
あー…言ってた…確かに、言ってた!
忘れてないよ。
本当だよ。
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