14.天国と地獄の違い。それは天国には美女がいて、地獄には悪友がいる事。
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
りのお金ちょうだい」
俺は力任せにリュカの胸ぐらを掴み、その場から移動する。
「痛い、痛いよ!何!?何なの?あっ、ちょっと…彼女待たせてるから…ヘンリー、ちょっと、ヘンリー!?」
人気のない路地へ来ると、リュカを壁際に押しつけ俺は怒鳴りだした。
「この金はお前の旅の無事を祈るヨシュアさんが、無理してくれた大切な金だ!一時の快楽の為に無駄に使う事は絶対に許さん!」
「分かったよ、分かった!じゃぁ別に欲しいもん無いからいいよ」
リュカの目を見れば分かる。
本当に欲しい物が他に無いのだろう。
こいつは何時も本気だから厄介だ。
「女以外欲しい物が無いってどういう事だよ!もっとこう、旅に必要な物とかあるだろ」
「?、例えば?」
…そう言われても、俺は旅なんてした事がないから答えられないでいる。
ふと見ると、リュカの横の壁に『馬車有りマス』の張り紙に気付いた。
「馬車だよ…馬車があれば旅が楽になる!」
「馬車って…今いくら残ってるの?」
半笑いで尋ねるリュカに俺は答える。
「800Gくらい」
「いくら安い馬車でも、その倍はするよ。ないない!800の馬車なんて。200で女買った方が現実的だよ」
「うるさい!頭金ぐらいにはなるかもしれないだろ!もう決めた!馬車買う、絶対買う!この旅で財布は俺が預かる。お前は碌な使い方しない!」
コイツの言い分の方が現実的って言うのがムカつく!
絶対…何としても馬車を買ってやる!!
「馬車売ってるの…ここ?」
怪しげな店の前でリュカが呟く。
「『オラクル屋』って書いてあるし…ここだろう…」
俺とリュカは、そっと店内に入った。
「いらっしゃい!お客さん、旅人だね!だったら馬車が必要不可欠!さぁ、買った、買った!毎度ありぃ!」
すると店主らしきドワーフが気さくに話しかけ、勝手に話を進める。
「いや、買うにしても値段次第です」
リュカの問いに喜んだ店主は、
「今なら、立派な馬付きで3000Gだよ!」
さ、3000G…馬付きで3000Gは確かに安い…しかし今の俺達には…
「高いなぁ…まけてよ」
「兄さん綺麗な目をしているなぁ!いいだろ!まけてやる!」
「ほんとう!?嬉しいな。あっ、でも僕そっちの気は無いからね!」
「がっはっはっは!兄さんは面白い。よっしゃ!300Gでどうだ!」
3000が300!?これは買うしかない。
「買っ「う〜ん…まだ高い!この、鉄の杖もおまけに付けてよ!」
なっ!この馬鹿!300で十分だろ!
「兄さんは買い物も上手いなぁ!よし!鉄の杖付きで500G!どうだ!」
「よし!買った!」
「ほれ、鉄の杖は持って行きな。馬車は明日の朝には用意しておくから、朝になったら町の外へ取りに来てくれ」
翌朝、俺達はかなり立派な馬車を手
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ