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魔法科高校の有能な劣等生
レポートNo.58
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把握する。
 俺は、劣等生だ。だから、進めるんだ。
 多分、優等生だったら慢心の道を歩み俺は自滅しただろう。だが、今は劣等生として今を生きるのだ。
「よぉ、影ー」
 この呑気で無神経な声は…………。
「零宮……お前、今日は家の事情で来れないんじゃなかったのか?」
「いやーね。家の事は家の事、影っちの気にする事じゃないよ」
 呑気な笑顔で俺の肩にもたれ掛かりつつ零宮は。
「それに、君は君の事情で忙しそうだし私の魔法を必要に成るんじゃないかな?」
「…………」
「否定しないんだね♪なら、早速調整に取り掛からないと!」
 鬱陶しい程、和かな笑顔だ。
 慣れない……でも、人を安心させる様な笑顔だ。俺は距離を保ちつつ歩むと。
「今日の試合はどうだった?」
「まぁまぁかな、俺の出場はまだ先だし。それに……今回、俺は出場する気はねぇよ」
 俺は零の護衛だし。
「てかだな、俺は劣等生《ウィード》だぞ?
 普通は九校戦に参加する事自体ナンセンスなんだ」
「むぅ〜そんな事言わないの。ウチの学校で君の事を差別する人なんてもう居ないよ。
 それにそれは差別用語だから使っちゃ駄目!」
「俺は自分を貶してるだけだ……自分の不甲斐なさに嫌気が差すよ」
 編入試験だって俺は…………いや、これは忘れると決めた筈だ。
 俺は前髪をいじりつつ零宮の言葉を無視した。
 コイツのペースにはまったら駄目だ。
「君は自分を下から見すぎなんでだよね〜君は努力で咲き誇った魔法師の鏡だよ」

「この前の私と君の初模擬戦だってさ。皆、私を応援して影っちを非難してた。
 私、耐えられなかった。なんで影っちを非難するの? そんな事ばっかり思って……貴女と立ち合った」

「やっぱり貴方は輝いてた。ほら、私なんて負けただけで悔し泣きしちゃって……いや、忘れてごめん。
 でも、そんな私を慰めてくれたのは君なんだよね」

「勝者なのに……皆から嫌われてたのに。そんな君は私を慰めて庇って救ってくれた」

「影っち……その、あのね」








 数週間前、俺は魔法科第九高校に編入試験を受けた。
 見事、一発合格で前例を打ち破った奇跡の劣等生として入学し。
 その直後から妬みの的だった。どうやら俺は嫌われ者らしい……まぁ、自分の事は解ってるつもりだけどこればかりは癖で治らない。
 ニコニコした表情で変人の様な素振り…………それに筆記試験満点の重荷は俺の晴々しい高校生活を真っ黒に染めた。
 普通、そのレベルならちやほやされても問題ないレベルと俺は感じている。だが、この証はそれを許さない。
 二科生の証《ウィード》俺は劣等生なのだ。
 まぁ、その証+無月家の生き残り&確定的な【噂】がもろもろの原因だ。
 確定的な噂…………それは
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