2部分:第二章
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ランコの言葉を聞いてそれに気付いた。
「そんなに有名だったのか」
「有名も何も世界中で話題になってるぜ」
フランコは身体検査を受け終えてから応えた。身体を彼に向けたまま。
「何が出るかってな」
「おいおい、世界中にかよ」
「何人も行方不明になっているそうだな」
それも彼に対して言うのだった。
「下水道の下で」
「さあな。それは知らないがな」
警官はそれについてはわざと知らないふりをしてみせた。フランコにはそう見えた。
「知っているんじゃないのか?本当は」
「本当のところは俺も知らないさ」
やはりこれもフランコにとってはとぼけているように見えた。
「本当かね、それは」
「本当じゃなかったらどうするんだ?」
「さてね。調べるだけさ」
彼は平気な顔をして警官に告げた。
「それがジャーナリストだからな」
「それで死んでもかい?」
「いや、死ぬのはちょっとな」
その質問に対しては軽い調子で笑って返した。
「勘弁願いたいな」
「やっぱり命は惜しいか」
「当たり前だろ。それに今は休暇で来ているんだしな」
それもまた警官に対して言った。
「何でそれでわざわざ命をかけて行くんだか」
「けれど命懸けじゃなかったらどうするんだ?」
「さてね」
その問いにはとぼけて返す。
「わからないね、そこんところは」
「とぼけるねえ。まあいいさ」
警官はここまで聞いたところで彼から離れるのだった。
「注意はしたぜ。けれどもそれで何かあったら」
「警察は責任持てないってか」
「そういうことさ。それだけじゃない」
彼はこうも言う。
「若し勤務中の警官に捕まったら今度はアウトだぜ」
「アウトか」
「勤務中ならな。覚悟はしておけよ」
「精々制服の警官には気をつけるさ。それじゃあな」
「おい、最後に聞きたいんだが」
だが警官は去ろうとするフランコにまた声をかけてきたのであった。
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