第6話 ナツ vsゼクト
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質がまるで違うのだから。全く別質のモノがゼクトに宿った様な気がしたのだ。
「……ッ! ま、負けるか! いくぞーーーっっ!!!」
ナツは、ゼクトが放つ光と、強い魔力に一瞬怖気づきそうになったのは確かだ。
だが、同世代の男に負けたくないと言う思いが強い。持ち前の根性で、その動揺を跳ね返して、攻勢に出たのだ。
「火竜のぉぉ………」
ナツは、空気を思い切り吸い込んでいく。一体どこまで その身体の中に入るのか? と思えてしまう程であり、ナツの腹部がまるで風船の様に膨らんでいる。そして、次の瞬間、腹の中に溜めた炎。ナツの魔力を吐き出した。
「咆哮ォォォォォォ!!!!」
その吐き出された炎は、今までの炎とは規模が違った。まさに《火竜》そのものだと思える程だ。息が続く限り、息の代わりに炎が吐き出され、弱まる気配さえ見えない。
「おおおおおらあああああああああああ!!!!!」
炎を吐き出し続けるナツ。
その炎は、一直線にゼクトへと向かってきた。
『……凄い。本当に火竜、だね。遠距離の攻撃。規模は大きいけど、魔力は拡散知てるから……。……ならっ!』
ゼクトは手に、魔力を集中させた。両手の中に集中させるのは まるで光の玉だ。その色は黄色に見える。黄色い玉は、バチっ バチっ と 放電をし続けているのだが、一箇所に留まろう、留まろうと圧縮され続けている。
そして、ナツの炎めがけて、ゼクトは作った光の玉を撃ち放った。
『ヴォルト・インディグニション』
ゼクトが撃ち放った光の玉、いや 雷の玉 と言った方が良いだろう。ナツの炎と衝突したと同時に、抑えに抑えていた雷撃が暴れ狂い、炎を吹き飛ばしたのだ。
「なっ!!!」
ナツは、確かにあの瞬間見た。
それは、自分にとって、今出来る全て。……力いっぱい、腹いっぱいに溜めた渾身の竜の咆哮。それを、拳大程の大きさの魔力の塊? をぶつけられただけで、相殺、いや 一方的に吹き飛ばされてしまったのだ。
もしも、あの玉に当たったのが、遠距離攻撃である咆哮ではなく、拳だったら、間違いなく自分自身が吹き飛んでしまう事は判ったから。
その、ナツの一瞬の動揺。その心理の隙間を狙って攻撃を狙うのはゼクト。
『後ろ……がら空きっ!』
ナツにとってみれば、それは 突然背後から声が聞こえた様にしか感じられなかった。
「ッ!!!!!!」
燃える様に熱かった身体だったのに、一気に寒気が全身を貫いた。まだ、身体には、炎を纏っていると言うのに、冷たいのだ。
『いくよっ!!』
ゼクトは、拳に魔力を集中させた。それは、ナツが最初に放った炎の拳に似ている。だが、その性質は違う。炎で
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