第6話 ナツ vsゼクト
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だった。
それは、ナツとギルダーツの嘗ての戦いの記憶。
いや、嘗て戦い、と言っても それはつい最近ので、戦いって言うより、ギルダーツが遊んでやってる? っと言う感じのだ。
ナツからしたら、ギルダーツとの勝負なのだろう。
『ほーう。随分と熱くなったじゃねえか。ちったー威力あがってんなぁ。ナツ』
ギルダーツが笑顔で受け止めているのはナツの炎の拳だった。褒めてくれているのは、確かに嬉しい。だけどナツは。
『くっそーーー! そんな楽々止められるなんてーーー!!』
ナツはちょっと悔しそうだった。全力で放った攻撃を簡単に受け止められたら、やっぱり 男としては悔しいだろう。
『いやいや! 痛え痛えよ……っと!』
ギルダーツは、左手でナツの拳を受け止めた状態で、右手の指に力を込めて、ナツの眉間に《でこぴん》を放った。 単なるでこぴん、なのだが……、ドゴンッ! と言う凡そ、指ではじいただけとは思えない音と衝撃が、ナツの頭を突き抜けた。その一撃を喰らってしまって、ナツの頭の上に星が何個かまわってしまうだろう。
『いでええええええ!!』
ナツは、悶絶しながら、頭を抑える。完全なノックダウンだった。
『はっはは、まだまだだな? ナツ』
その勝負の時のギルダーツは、終始笑顔だったんだ。笑顔で何度も何度も攻撃をして、受け止めていたんだ。
そして、場面は元に戻る。
今、自分の拳を受け止めているゼクトには、ギルダーツの時と同じ感じがするのだ。
「よっし……次はオレから行くよっ! ナツ!!」
ゼクトは、ナツの拳を押し返すと同時に、両の手を合わせた。
「ッッ! お、おうっ!! どっからでもきやがれ!!」
ナツは、これまでに同じ位の歳の相手に、それ程力の差を感じた事は 今まで無かった。確かに強い相手はいる。何度も叩かれたりしているエルザだったり、ミラだったり、……そして ラクサスだったり、と。だけど、例え負けた事があったとしても、それでも ギルダーツの様な感覚がしたのは、初めてだった。
……そう、初めての事だった。
だから、戦いの最中、それも始まったばかりで、動揺しかけていたのだ。
『エレメント・ドライブ 《ヴォルト》』
両の手から、突然 光を放ち出した。
そして、ゼクトを中心に魔力が増加してゆく。その姿は、ナツが自分自身の炎を身体に纏わせているのと見た目は変わらなかった。……だが、内包している魔力、その何かが違ったのだ。
「な……ななッ!!」
ナツは、今回は 完全に驚いていた。
ギルダーツと同じ感覚がした時も、驚いていたのだが それどころじゃない。さっきまでと、魔力の
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