第9話隻腕のドラゴン
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フを聞いてシリカは静かな怒りを露にした。それをなだめつつーーー
「別にたらしこまれちゃいねぇよ。バカは否定出来ない分ちょっと悲しいけど・・・あえて言おう、オレもアンタを探してたんだよ。シリカにも盗み聞きのあとに全てを話して協力しあってきた。利用するような真似したくないからな」
「・・・どういうことかしら?」
やっと本題に入れる。ここまでくるのに長かったぜ。
「アンタ・・・10日前に《シルバーフラグス》っていうギルドを襲ったな?リーダー以外の4人が殺された」
「あぁ、あの貧乏な連中ね」
なんも悪びれずにはっきり言いやがったーーー腐れ外道が。
「リーダーだった男はな、朝から晩まで最前線の転移門広場で泣きながら仇討ちしてくれる奴を探していた。だが彼は「殺すんじゃなく牢獄に入れてくれ」と言ったんだ。アンタに・・・仲間を殺した相手を殺さずに投獄することを望んだ彼の気持ちが解るか?オレだったら絶体にそんなこと出来ない」
「解んないわよ、マジになってバカみたい。ここで人を殺したところで、ホントにそいつが死ぬ証拠なんてないし。それより・・・自分たちの心配をした方がいいんじゃない?」
奴が指をパチンと鳴らすとグリーンの仲間が一人、犯罪者の仲間が六人現れた。ーーーけどそんなことはどうでもいい。こっちはグツグツと腹が煮えくり返ってるくらい怒ってるんだからな。
「ライリュウさん!人数が多すぎます!脱出しないと・・・」
「・・・シリカ、オレが逃げろって言うまで転移結晶を準備して待ってろ」
「はい、でも「待ってろ!・・・これからかなり暴れる」・・・解り・・・ました」
きっとオレの声には強い怒気が含まれていただろう。シリカの体が少し震え上がったところを見て、多分間違いはない。
「ライリュウさん!」
「ッ!ライリュウ!?」
オレの名を叫んだシリカの声に敵数人が反応した。
「竜の顔を模した黒い両手剣・・・」
オレの道を阻む全てをぶった斬る為に作った最強の剣《ドラゴンスレイヤ》ーーーー
「赤い忍者装束・・・」
オレを愛してくれたあいつの意思を継ぐ為にオレが仕立てたーーー
「鱗模様の籠手・・・」
硬く、もう二度とオレから何も奪わせないための鱗・・・
「そして・・・左腕の存在しない隻腕の剣士・・・」
この外道共は、オレの名を忘れることは出来ないだろう。お前ら巨人の手はーーー
「《隻腕のドラゴン》・・・ライリュウ!?」
隻腕のドラゴンの逆鱗に触れちまったんだからな。
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