第9話隻腕のドラゴン
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これでピナが生き返るんですね?」
「ああ」
「良かった」
シリカは花をそっと胸に抱いた。やっぱり嬉しいよなーーー
「でも、この辺は強いモンスターが多いから。オレの家に戻ってから生き返らせよう?ピナだってきっとその方がいいと思うぞ?」
「・・・はい!」
よし、帰ろうかーーー
******
ーーーそう簡単には帰らせてくれないか。オレの隣を歩くシリカの肩に手を置き彼女を止める。
「ライリュウさん?」
「そこで待ち伏せてる奴、出てこいよ」
オレたちの視線が集まる木の陰、そこには確かにいた。黒い服を着た赤髪の女が。
「ロ、ロザリアさん!?」
「あたしの隠密を見破るなんて、なかなか高い索敵スキルねぇ黒マントの忍者さん。その様子だと、首尾よくプネウマの花をゲット出来たみたいねぇ。おめでとう・・・じゃ、早速花を渡してちょうだい」
やっぱりそうくるか。せっかく手に入れた花を「はいそうですか。どうぞどうぞ」なんて渡すと思ってるのか?
「な、何を言って・・・まさか」
「そうだシリカ。悪いけどそうはいかないんだよなぁオバサン。いや・・・犯罪者ギルド《タイタンズハンド》のリーダー・ロザリアさん、と言った方がいいか?」
「・・・へぇ」
ロザリアはオレがオバサンと言ったことにはさほど反応しなかった。なぜなら、オレがロザリアの正体を寸分違わず言い当てたからだ。
「でも!ロザリアさんはグリーン・・・」
「犯罪者ギルドの構成員全員が犯罪者プレイヤーである必要はない。手口は簡単だ。グリーンのメンバーが獲物を見繕い、犯罪者の仲間が待ち伏せてるポイントまで誘い出す。犯罪者は街に入れないから回復アイテムなんかも簡単には手に入らなくなるからな。夕べオレたちの会話を盗み聞きしたのもアンタの仲間なんだろ?」
「じゃあ、この2週間一緒のパーティにいたのは・・・」
ここまで言えばシリカもよくわかるだろう。こいつはーーー
「そうよ。戦力を確認して、冒険でお金が貯まるのを待ってたの」
ここまで言って舌を出し、まるで蛇のように自分の唇を舐めた。こいつの考えややり方を考えると、ホントに蛇みたいに見えてくる。
「一番楽しみな獲物だったアンタが抜けて残念だったけど・・・レアアイテムを取りに行くっていうじゃない?でもそこまで解っててその子に付き合うなんて・・・バカァ?それともホントにたらしこまれちやったの?」
「〜!」
「たらしこまれた」、そのセリ
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