1話 最初で最後の幸福感(ユーフォリア)
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勘弁して」
『おい、お前ら。戦場に私情を持ち込むなよ』
カイさんからお叱りの言葉をいただく。
「すません」
陽気な言葉で返答する。ふと思い出すように僕は続ける。
「と、ついでにコードブルー。主にブルー3に、敵戦車の前3メートル地点に主砲落とせるか?」
『俺を誰だと思ってる?で、目的は?』
こいつはサジ・レードボルグ。射手なのだが、自信家で、ナルシストなため、会話をしていてだるいと感じる事が多い。僕と同い年の18歳。
「撃てると認識するぞ。牽制を頼む」
煙が消え、視界が良くなったと思いきや、タンクを潰した敵戦車の修理と消火が終わったようで、先ほどの戦車についていく。しかし、速力が削られているため、追いつく気配がない。
「こちらレッド1。コードイエロー、応答頼む」
『こちらイエロー2。レッド2の回収完了』
イエロー2は運転手の九重海彦さん。40歳。とても丁寧な口調で、落ち着いた性格。
「コードイエローに任務通達。無傷の戦車Aから策敵されないように回りこんで。それからタンクが壊れてのろまな戦車Bと戦闘してくれ」
『お!良いねぇ!最高じゃん!』
「でも壊しすぎないでね」
『わあってるって』
『こちらブルー3。敵戦車に牽制成功。どうする?』
「戦闘を開始してくれ」
『は?こっちはアメリカの軽戦車、M3。向こうはアメリカの中戦車、M26パーシングだ。火力的にきつぞ?』
「戦車の種類なんか言われても困るなぁ」
『おい!』
「なに。1台くらい破壊しても問題ないさ。ただ単純に敵を足止めしてくれればいいさ」
僕は無線を切り替える。
「レッド1。敵兵を殲滅する」
履帯の修理をしている搭乗員に向けて、発砲する。
敵兵はヘルメットをかぶっているが、対戦車ライフル。今は対物ライフルなのだが、それでヘルメットを貫通し、ヘッドショットを綺麗に決めた。初めてスコープ越しから的に命中させたので、少しテンションが上った。敵は弾道を予測したのか、修理を一時やめ、僕から見て、戦車の背後に隠れる。
「狙い道理」
設置した地雷5つ。見た感じ、その中で2つほどに敵戦車は引っかかっている様だった。僕はライフルをアタッシュケースに仕舞い、サブマシンガン、ミネベアを取り出す。ミネベア。僕の愛用の銃で、ハンドガンにも装填できる9mm弾を使用する。1999年。日本のミネベア社が作った機関拳銃だ。
僕はアタッシュケースをオートバイのトランクに載せ、ミネベアを肩ベルトにつけて腰に下げ、運転する。
「オイルが残り少ないな」
僕は無線を取り出す。
「こちらレッド1。敵兵を補足した。ただちに戦闘を開始する」
『こちらコードイエロー。了解』
『コードブルー了解』
僕はバイクを降り、砂漠と林
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