二十七話:終演
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らどうするかの話だな」
「おや、無視かい」
どこの世界にあるかもわからない薄暗い研究所。
そこにスカリエッティと切嗣は居た。
スカリエッティが座るように勧めてくるがそんな気が起きるはずもなく切嗣は腕を組んで立ち続ける。
「今まで通りのやり方を通すつもりはもう僕にはない。あんなやり方じゃ犠牲が増えるだけで何も救えはしない」
「くくく、なるほど、なるほど。では、スポンサーの元から離れるかね?」
「そうなるな。元より、こうなった僕に利用価値はないだろう」
大の為に小を切り捨てる。当たり前のように今まで行って来た行為ももうできない。
そうなれば、衛宮切嗣に利用価値はない。
心を押し殺した冷酷な殺人マシーンとして都合よく利用されていただけだ。
なら、価値のなくなった道具は捨て去られるだけだろう。
「しかし、そんなことを私の前で堂々と言っていいのかね」
「まさか、お前が飼い主に尻尾を振るとでも言うのかい?」
「く、ふふふ。いや、痛いところを突かれたね」
参ったとばかりに頭を抑えながら笑うスカリエッティ。
この男はただ研究資金と施設が提供されるので上に従っているフリをしているだけなのだ。
上は気づいてはいないが、いつ飼い主の首を食いちぎってやろうかと虎視眈々と狙っている。
そうでなければ切嗣を放置しているはずがないのだ。
「そうなると、君の家族が危ないんじゃないかい?」
「だろうな。最悪僕をおびき出すための人質に使われるかもしれない」
切嗣は知られると不味い情報を持ちすぎている。
勿論、犯罪者の言うことをどこまで信用するのかということはあるが。
とにかく、自分達の下を離れるというのなら相応の“処理”が必要だと判断するだろう。
そうなった時に切嗣の家族が突かれる可能性は高い。
「だから、衛宮切嗣はここで―――死ぬ必要がある」
告げられた言葉に一瞬たりとも動揺することなくスカリエッティはニヤリと笑う。
その言葉の裏に隠された真意を見抜いたからである。
そして、何よりもその成功には自分の力が不可欠なのだ。
つまりこれは仕事以外で初めて衛宮切嗣が協力を求めたということだ。
「くくく! それで君は私への報酬は何をくれるんだい?」
「鉛玉を眉間に一発でどうだ? 破格の待遇だぞ」
「ふはははッ! この私に脅しをかけてくるかい。相変わらずだね、君は」
「今なら喉にも一発サービスしてやるよ。先にその口を黙らせてやる」
冗談などではない声色であるにも関わらず、スカリエッティは嗤い続ける。
これで譲歩をしてきていた方が拍子抜けだ。
やはり衛宮切嗣は目的達成の為なら残酷になれる男でなければならない。
「は
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