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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
第弐話 救世主,光臨
2-1 違和感
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地球の衛星、月。
その月面にて、突如空間が歪み始めた。うねうねとうねるような動きは不気味さを体現している。
その歪みは激しさを増し、ガシャン!!とボールが突っ込んで砕け散った窓ガラスのごとく、空間を割ってしまった。
その中から、赤い球体と黒い球体が月面に激突する。黒い球体は、宇宙の闇の中に溶け込んでしまったが、もう一つの…赤い光は、全身が真っ赤の赤い巨人へと姿を変え、『何か』と戦いはじめた。
巨人の周囲に向け、どこからかビームが放射される。巨人はそれを側転なりバック転などで避けていく。
最後のビームを避けたところで、赤い戦士は頭上を見上げる。
今の月面は暗い闇の中…つまり夜に差し掛かっている。寒気に満ち、そして何も見えないほどの闇に覆われている。
何もないように見えるが、赤い戦士にはわかっていた。
―あの闇の中に、とてつもないほどの大きな闇が、うごめいている。それが、今の自分の敵…。
再び一発の紫色とも黒ともいえる不気味な色をしたビームが赤い戦士を襲った。戦士は直ちに飛び立ってそのビームを避け、空振りに終わったそれは戦士の立っていた地面を抉りとった。モロに食らっていたらただでは済まされなかったに違いない。
赤い戦士は宙に浮いたまま、自身の胸元を覆っているプロテクターに光を帯びさせた後、光を両腕に集めていく。即座にL字型に両腕を組むと、彼の組まれた腕から、光り輝く光線が闇の中にいる敵に向かって放たれた。
その光は赤い巨人にとっての懇親の一撃といえるだろう。
だが、光線は闇の中に溶け込むように消え去ってしまった。
「!?」
光線を吸い取られ、赤い巨人はぎょっとするも、その隙と動揺が命取りとなった。
闇の中から放たれた黒い光線が、赤い巨人の体を貫いてしまった。
避けることもままならず、巨人の悲鳴が轟いた。
体にほとばしる激痛により、意識が薄れていく。
赤い巨人は、そのまま吸い寄せられるように、青い星。
地球へと落下した…
赤い光は地球の、水の中へ突っ込み、そのまま水底に向かって沈んでいく。
最後に赤い巨人が見たのは…
二つの角を持つ、黒衣を纏う悪魔の姿だった。
「………ッ」
ジンは目を覚ました。
いつの間にかベッドに寝かされていたようだ。
窓のない、ベッドの傍らに小さな明かりのついた部屋。
ここは、一体どこだ?医療器具や診察台などがあることから、病室のようだが…
「よかった!目が覚めたのね…」
「体の具合はどうかしら?」
傍らから安堵の声が聞こえる。顔を向けると、そこには由里やマリアたち花組の顔がそこにあった。
「…はい」
ジンは体を起こすと、ベッドから起き上がる。
頭が痛い。ガンガンしてくる。何かが頭の
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