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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
第弐話 救世主,光臨
2-1 違和感
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しかも、普通の人が持っていない『霊力』のせいで、赤い巨人という異常な力を手にしていると来た。
「下手をすれば、お前は軍の連中に狙われる。それも実験動物としてな。それを避けるために、俺はお前さんを保護したんだ」
ジンは恐怖した。自分の力に恐れを抱き、自分の体が震えるのを悟った。
「米田さん…僕は」
「ジン」
米田はジンが今何を考えているのかたやすく想像できた。ジンの肩を掴み、ジンの顔をまっすぐ見た。
「俺が保障する、お前は『化け物』なんかじゃねぇ」
「なんで、そんなことがいえるんですか…だって僕は…」
普通の人からはあまりに異質な力を持っている。その時点で…

『化け物』じゃないのか?

「その力は確かに恐ろしい力だ。恐れてるのなら無理に使うことはねぇし、それを理由に自分の存在まで否定しようとすることはねぇ。
恐ろしいとか、忘れて痛いとか思ってんなら、普通の人間として生きればいい」
「……」
「少なくともこの帝劇にいるみんなはお前の味方だ。お前が悩んでいることがあったら、あいつらに相談していけばいい。無論俺にもな。
なんたって、今の俺はお前の親父でもあるんだ。前にも言ったが、俺のことは本当の父親のつもりで接してきてかまわねぇぜ」
米田は背中をバンバン叩いてきて、安心させようとする。
わからないことは深く思い悩むな。米田はそういっているのだろうか。でも…

(…本当に、これでいいのか…?)

帝劇の地下で目を覚ます以前の記憶がない、ジンは自分の存在している意味を見出せなくなっていた。
「さぁて、シケた話はここまでにしようや。
あぁ、そうだジン。お前には椿と一緒に頼みてぇことがあるんだ」
無言のジンを見ると、米田が突然話を変えてきた。
「…頼みたいこと?」
顔を上げ、米田が頼みたいことの内容に耳を傾ける。
「明日、あの子に頼んでおきたいことがあってな。新しい花組のメンバーの出迎えだ」
「新しい花組の、ですか」
「あぁ、俺とあやめ君の『戦友』の娘でな。元々は椿だけを迎えによこすつもりだったがよ。女一人うろつかせるのもあれだ。お前さんが一緒に行ってやれ。
ああ、後…次の日からはモギリをやってくれ」
「も…モギリ?」
さらに帝劇の仕事に関する追加オーダーを出してきた米田。ジンはもはや面食らった反応しか示せない。
「おう、簡単に言えば切符切りだ。しっかりやれよ」
「……わかりました。失礼します」
まだ立ち直りきれていない様子で、ジンは医務室を後にした。
ジンが去った後、米田は深いため息を漏らして椅子に腰をかけた。
「俺らしくもねぇな、いつもならもうちっとうまく誤魔化せたんだろうが…」
赤い巨人となったジンの姿を見て、『帝国華撃団』の責任者として保つべき冷静さを欠いてしまった。自分でも、老練とな
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