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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
第弐話 救世主,光臨
2-1 違和感
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とは一体なんなのですか?」
「………」
静かに背を向ける米田。答える姿勢を見せようとしない彼にジンはイラつきを覚えた。
「答えてください!街で由里さんと出かけた際、街をあの化け物たちが壊していた!だが、そのとき人型の機械が現れた!しかもあれに乗っていたのは…」
マリアたちじゃないのか。あの凛とした声に間違いがなければ、間違いない。なぜ、この大帝国劇場で働く女優であるはずの彼女たちが…あんな機械を乗り回してあんな恐ろしい化け物と戦っていたのだ。
「この大帝国劇場って…本当にただの劇場なんですか?思えば、僕が帝劇で眠っていたあの場所だって、違和感がありすぎる…」
このときのジンの脳裏に浮かぶ、自分が目を覚ましたあの場所。そしてその中央に設置された、液体で浸された医療カプセル。どうせ持つならかなり設備の整った病院などの方がふさわしいはずだ。劇団が持つものにしては大仰過ぎる。
「たかが劇場に、あんなできすぎた設備が出来上がっているなんて普通に考えたらおかしすぎます。それに、僕が赤い巨人に変身したって…」
「…」
「答えてください。米田さん…この帝劇の正体はなんですか!なぜ僕はここで眠っていたんです!」
「僕は…僕は一体誰なんですか!!!?」
ジンから一方的に質問攻めを受け、米田の鋭い視線が突き刺さってきた。その視線から放たれる気迫は、ジンを瞬時に黙らせた。
「…わかった、バレちまったもんは仕方ねぇ。順を追って教えてやる。まずは、この帝劇の秘密についてだ」
米田はジンの正面に振り返り、ジンが知りたがっている真実の一旦を伝えた。
この大帝国劇場は、帝国歌劇団が舞台を行うための場所だが、それが世間から正体を明かされることを避けるための仮の姿で、本来は降魔と戦い人々を守るための組織『帝国華撃団』の本部である。
主に舞台では女優として活躍している花組が、光武に乗って降魔と戦う。椿・由里・かすみたちはそのサポート役を担う『風組』のメンバーとされている。
他にもこの華撃団には、本来はオーケストラを担当する『奏組』、黒子担当の人達は諜報活動を行う『月組』などの別働隊が存在しているとのことだ。
そして降魔とは、帝都に出没する醜悪な姿をした化け物で、人に害をなすことこそが存在意義のような、まさに悪魔のような生物のことだ。しかも降魔は既存の兵器で簡単にダメージを与えることができず、有効な攻撃手段は霊力を用いた攻撃のみ。だから、この帝国華撃団が秘密裏に結成された。
しかしそれだと腑に落ちない。本来は戦うために設立された部隊がどうして、劇を行っているのか?戦いと舞台に一体どんな接点があるというのか。なぜ劇団として銀座の真ん中に構えなければならないのか。
「やっぱそこを突くよな」
そのことを指摘された米田も、ジンからそれを尋ねられることを予期して
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