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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
第弐話 救世主,光臨
2-1 違和感
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なたは?」
「いえ…別に」
特に空腹感は出ていなかったが、直後に、少年の腹からぐぅぅ…と腹の虫が泣いた。
「あらあら。ジンさんのおなかはそうでもなかったみたいですわね」
すみれがからかってくる。軽い悪乗りであるのはわかるが、なんかこの人から笑われると少し腹が立つ…そう思いながらもジンは少し気恥ずかしげに膨れながらも堪えた。
「それじゃ、そろそろ行きましょうか。ジン、病み上がりだから少し休んでから来なさい」
マリアがジンの方を向いて、気遣いの言葉を送る。
「いえ、大丈夫です。なんともありません」
さっき少し頭が痛くなっただけで、特に重い症状を患っているなどという感覚は一切なかった。体を起こしたジンは軽く腕を回してなんともないことをアピールした。
「本当に大丈夫?あまり無理はしないでちょうだい」
「あ、いや…本当に大丈夫ですから」
「ああみんな。こいつのことは俺の方で見ておくから先に行って来いよ」
「わかりました。では」
マリアは皆を引き連れ、食堂へと向かっていった。
みんなが部屋を後にし、米田と自分の二人だけとなった。
ジンは米田をまっすぐ見つめてきた。今度こそ尋ねないといけない。降魔と戦ったあの若い男性の集団や、その後に駆けつけてきたマリアたちの乗る人型の機械兵器のことについて。
「…米田さん」
ジンがそこで言いかけると、米田の表情に変化が訪れた。それも険しいものだ。そしてジンの言葉を遮った。
「ジン、お前…記憶が戻ったのか?」
「…え?」
いきなり記憶が戻ってきたのでは問われたジンは困惑した。
「今日、お前変身したじゃねぇか。赤い巨人の姿に」
「赤い巨人…?」
ジンはそれを言われ、困惑と動揺を混じらせた。
「何のことだ…何を言ってる…!」
理解できないと言い返すジンの反応に、逆に米田も困惑を示した。
「何をって、ここに来てとぼけてんのか?あれがお前のもう一つの姿だって、俺もあやめ君も知っているぞ」
「………」
米田の予期しない台詞に、さらに頭が混乱し始めた。
僕が…赤い巨人?何を言ってるんだこの人は?一体何を?
頭を抱えていかにも自分が混乱していることを表しているジンを見て、米田はあることを悟った。
ジンは、自分が赤い巨人に変身したことを覚えていないのだ。
(これも、記憶を失った影響なのか?いや…それとも何か別の要因か?)
「赤い巨人って…なんですか?それに変身って…」
思えば、今日起きた化け物の事件だってそうだ。おかしいことだらけだ。若い男性と、女性が搭乗していた人型機械兵器。そして…避難するべきだったのに自分がとった行動とその果てに記憶が途切れていること。何もかもが日常というにはおかしい。
「教えてください、米田さん。赤い巨人ってどういうことです?それにあの化け物は…降魔
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