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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
第弐話 救世主,光臨
2-1 違和感
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中でつっかえたようにもどかしい。何か大事なことを忘れているような気がする。
「あの、僕は…いったい……由里さんと街へ…行って…ッ!うぅ…」
最初は浅草の問屋街に、由里と一緒に町を回っていたはずだ。この帝都の町を知るため、あわよくば自分の記憶の手がかりを見つけ出すために。だが突如街に化け物が現れ、それに対して男性の少人数の部隊が戦っていて…そうしたら機械の人型兵器が姿を現した。それが降魔を撃退したと思ったら、さらに巨大な降魔が現れて…。
(なんだ…?そこから記憶が欠けてしまっている…)
記憶がまた混乱しているのか?思えば、自分は突拍子もない夢でも見ていたのではないだろうか。途中から記憶が飛んでしまって何も思い出せなくなっていた。
自分が、赤い巨人の姿となっていたことも。
いや、まだ覚えていることがあった。
由里と街へ出かけていた際、突如『降魔』と呼ばれる怪物が現れ、それを端正な顔立ちの男の集団が、そして人型の機械が応戦していた。それにあの機械に乗っていたのは…。
(マリアさんとすみれさんだ…どういうことだ?)
夢かと思った。記憶が混乱したからだと思っていたが、やはりあれは現実だった。
(あの人達はただの女優のはずだ。なぜあんな物騒な機械兵器で化け物と戦っていたんだ?あの男の人達もそうだったが…一体…?)
さっきはそのことについて、結局聞きそびれてしまっていた。あの人達は一体何者なのだ?ただの劇団じゃないのか?
それに、あの時自分はどうしていた?出かけた際に降魔と遭遇して…それからどうした?逃げていたのか?いや、だとしたら意識を手放すような事態に遭遇する可能性は低い。
…うぅ、だめだ。分からないことが多い。考えていくとその分だけ頭がどういうわけか痛くなる。
「大丈夫、ジン?やっぱりどこか痛いの?」
アイリスが心配そうにジンの顔を覗き込んできた。
「いや…しいて言えば、頭がちょっと痛いだけだから平気だよ」
首を横に振って、わざと何事もなかったように笑みを見せた。アイリスはなにも言わなかった。ただジンに向けて憂い顔を見せ続けた。
「あの…みんな」
自分には置き置くがない。だから、彼女たちに今日起きたことについて色々聞くべきだ。何か質問をかけようとしたそのとき、ジンの言葉を遮るようにガチャッ!と部屋の扉が音を立てて開かれた。
「おぅ、ジン。もう体は平気なのか?」
「支配人」
入ってきた人物は、米田だった。
「米田さん…はい。なんともないです」
ジンは俯いていた顔を上げ、頷く。それを見たとき、一瞬米田の目が伏目しがちになっていた。何かを憂いているようにも見えた。
「そろそろ飯の時間だろ?行かなくていいのか?」
それを誤魔化すように、米田が先に言った女性陣たちのもとへ早く行くように促す。
「そうですね。ジン、あ
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