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101番目の舶ィ語
第十七話。再戦の刻
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エネイブル》』。
それは、物語を変えることができる存在。
『出来ない』を『出来る』に変える力を持つロア。
まるで、作家や編集者が物語を手直すように……。
ふと、そのことを思い出した俺の頭の中で。
チリッと、何かが反応した。
作家や編集者みたいに……?
この考え方は間違っていないはずだ。
……駄目だ。まだ何かが足りない。
何かを見つけないといけない。
俺が『百物語』の『主人公』になる為には。
俺はヒステリアモードの空間把握能力と、常人を超越した反射神経を駆使して。
『桜花』を放った。
ただし、片手のみで。
『桜花』は片手でも放てる。
なら右手で一発。左手で一発。
右足で一発。左手足で一発。
計4回分の桜花をほとんど同時に発動させたらどうなるか?
それも刺撃や打撃ではなく、衝撃波で吹き飛ばせれば……。
イメージ的には『妖刀』の『炸牙』を思い浮かべる。
漫画やアニメで同じみの飛ぶ斬撃。
『桜花』の衝撃波を飛ばす技。
その、手刀版。

「______炸牙」

いわば、劣化版『炸牙』。
名前は思い浮かばなかったから、暫定的に妖刀と同じ技名だけど……ま、いいか。

バガァァァァァァァァァァァァンッッ______!

「あ……ぐッ……」

俺が放った衝撃波により、氷澄は後ろに10メートルほど吹き飛ばされた。
仰向けにぶっ倒れた氷澄に、ガラガラっと、崩壊した塀の瓦礫が降り落ちる。

「安心しろ。この技は距離さえ空いていればハエも死なない技だからな」

かつて、『妖刀のセイジ』に言われた言葉を告げながら考える。
これで一之江がやられた分はやり返してやったぜ。
残るは……。

「俺の物語は誰にも渡さない!
奪いたきゃ、俺を散らせてみやがれっ!」

残るはラインとジーサードだけだ。
氷澄単体なら最早さほど脅威ではない。
そう思っていたが……。
だが、氷澄からは何か得たいの知れない力を感じる。
気は進まないが。やはり止めはさしておくべきか。
そう思い、氷澄に向け、再び『桜花』を発動させて。

「ハッ、甘ぇよ。『彗星(コメット)』!」

氷澄に向かって駆け出した俺の前に。
ジーサード。遠山金三が立ち塞がり。
そして……。

______パァァァァァァァァァァァァァァァァァン!

俺が放つ音速の拳を受け止めた。
俺は『桜花』が受け止められたことに驚きつつも、回し蹴りを放つが。
それもジーサードの腕によって防がれた。
蹴りを放ってすぐに後ろに後退した俺だが。
驚きを隠せずにはいられない。

(い、今のは______『橘花』??)

『桜花』を逆ベクトルに放つ、第二の桜花。
それを……ジーサードも出来るのか。

「何驚いてんだ、前にも言っただろう?
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