第十六話。情報共有
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ことらしい」
「なるほど……別にその男を見ちゃいけない、ってわけじゃないのね?」
「邪眼っていうものは、元々『見る側』が呪いをかけるもので。見られた側はそれに気づかないというのが基本だそうですよ」
「つまり、視線ばかりは防ぎようがないってことかあ……」
音央は真摯に戦いを見据えている。
そんな彼女達がいるんだ。
なら俺も頑張らないと!
「それだけじゃない。あともう一人、ジーサードっていう『首なしライダー』のハーフロアがいるんだが……コイツがまたメチャクチャ強い。
多分、まともに戦っても勝てないだろうな……」
特に今の俺では。
ヒスってない俺では相手にならない。
ヒステリアモードの中でも、最強のヒステリアモードと言われるヒステリア・レガルメンテを発動させてギリギリ互角に渡り合える。そのくらいにヤバい奴だからな。
あのアホの弟は。
「アイツが使う技は音速を超える技とか、銃弾を跳ね返す技とか、まあ、いろいろあるんだが……中でも一番ヤバいのが無行の構えから、見えないワイヤーを出す『不可視の線糸』という技だ。ロアとしてのあの技は防ぎようがない。
『首なしライダー』というロアとしての特性を生かした技なんだろうが……対処法はまだ思いつかん」
「……音速って、見えないワイヤーって……アンタよく生きて帰れたわね……」
「なるほど……『首なしライダー』は『ワイヤーで首を切断された』。その逸話から生まれた技なんですね?
よくご無事でしたね。
本当に、良かったです。あの時間に合って」
音央は呆れたように、鳴央ちゃんは感心したように俺を見つめてきた。
「まあな……自分でも何で生きていたのか解らないよ」
キリカ曰く、『主人公』だから。
主人公補正で生き延びた、のかもしれないな。
「しかし、驚いたよ」
「何がよ?」
「いや、あんまり戦いたくないのかもしれないなー、って。音央はツンツンしてるけど、別に好戦的ってわけじゃないだろ?」
アリアみたいにツンツンしてる音央だが、その内面は誰よりも優しく。誰よりも弱い。
強気だけど、繊細な美少女。それが音央だ。
「そりゃそうよ。ケンカなんかしないに越したことないもの。ただでさえ変な噂立てられやすいわけだしね」
それもそうか。音央くらい目立つと、何もしなくても勝手に変な噂、悪い噂が流れてしまうこともあるのかもな。
「だからって、売られたケンカを買わないのも癪でしょ? それに、あたしは友達が酷い目に遭っているのにのんびりなんてしてられないの」
「ふふっ、音央ちゃん。さっきまで本当に怒っていたんですよ?」
「あ、こら、鳴央っ!」
「モンジさんがあんな辛そうな
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