第十六話。情報共有
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いわよ?」
「だとしても、さ。氷澄もそうなんだが……アイツの、ジーサードの性格からしてあの場所から動いていないだろうなー、って」
「なんで解るのよ?」
兄弟だからです。
なーんて言えないわけで。
「『主人公』の勘……っていうのは冗談だが。ヤシロちゃんから『四辻では良くないものと出会う』っていう話を聞いたのと……アイツらなら、そういう演出が好きそうだからな」
以下にもっともらしい推測を話す。
まあ、全部が全部嘘ではないんだけどな。
氷澄もそうだが、ジーサードは芝居かかった演出とか言い回しとかが好きなタイプだからな。
派手な演出を好んだり、以外にもテンプレな展開とか好きそうだったり。
だからこそ、きっと奴らは朝まであそこか、もしくはあの周辺で待っているはずだ。
「ヤシロさんにお会いになったのですね……」
「ああ、いつもなんかこう……いきなり現れて、いい話と怖い話をしてくれるよな」
「あー、そんな感じよねえ、あの子」
どうやらヤシロちゃんに対する認識はみんな似たようなものらしい。
「まあ、いいけど。で、えーっと。その男達に挑むのはいいけど勝算はあるの?」
「勝てる見込みがあって戦ったことって、今まで一度もないんだよなあ……相手が強過ぎて」
前世でもそうだったが、思えば俺が戦う相手はみんな強敵だらけだった。
中には明らかに人間じゃない奴らとかもいたし……今思うと本当、よく生きてられたな、俺。
「まあ……そう、ですよね」
その『強過ぎる』うちの一人というか二人というか。
それが今、目の前に仲間としているのだから、人生って不思議だよなー、なんて改めて思う。
「解った。もう、後は行き当たりばったりってことね?」
「ああ。あ、あと、情報共有だが、氷澄が使う技の一つに『厄災の眼』ってのがあるんだが。あれはその眼を見た人に不幸を集めるようなものらしい。で、女の子が使う技は『音速境界』といってもの凄い速さで動くことでソニックブームを巻き起こして、なんでもかんでも吹き飛ばすっていう能力らしい」
「なんでもかんでも……なの?」
「その吹き飛ばす力の指向性を、彼の眼によって対象にだけ向けるのですね。辺り一面が受けるはずだった被害を、狙った相手だけに向けたりするような」
ヒステリアモードではない俺ではちゃんと能力を説明しようにも、専門的な用語とかあってよく解らん。
悪い、今の俺にはこれが限界なんだ……と思っていたら鳴央ちゃんが解説してくれた。
さすがは『神隠し』として長年ロアの世界で生きていただけあって。
俺がキリカから聞いたのとほとんど同じ内容を説明してくれた。
「原理はよく解らないが、そういう
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