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101番目の舶ィ語
第十六話。情報共有
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ンの方へ向いた。
視線の先はマンションの7階。詩穂先輩の自室があるところだ。
きっと一之江は先輩の部屋で眠っているのだろう。
あの、にゃぱにゃぱした優しい先輩と一緒なら、一之江もすぐに良くなるはずだ。そう信じることにする。

「ふう。んで、なんでアンタはジャージ着てんのよ」

「いや、なんつーか。動きやすい服装といったらジャージとかじゃないか?
特にこれから頑張るぞ! って時とか」

本当は防弾、防刃製の服があればよかったのだが……そんなモンはないからな。

「頑張られるのですか?」

鳴央ちゃんは心配そうに俺を見る。
不安がない、と言ったら嘘になる。
ロアや強い敵と戦うのはいつだって怖いし、今回は一之江やキリカみたいな頼りになる強い味方もいない。ヒステリアモードではない俺なんて、たいした能力も持たないのだからな。
音央や鳴央ちゃんが強力な『神隠し』のロアというのは知っているが、音央は戦闘に関しては素人同然だし、鳴央ちゃんは戦闘向きの性格ではない。
言わば、凡庸な俺が戦い慣れてない素人同然の女の子を連れて……『主人公狩り』と呼ばれる男達と戦う。
そんな無謀な行為をしないといけないのだ。
もし、俺が、『星座の女神』とも噂される例の『終わらない(エンドレス)千夜一夜(シェラザード)』みたいな有名で強い『主人公』のロアならば、もっと上手くやれるのかもしれないが。
だが、俺は俺。
101番目の百物語(ハンドレッドワン)』と『不可能を可能にする男(エネイブル)』の『主人公』、一文字疾風なんだ。
ヒステリアモードになれれば別だが、普段の俺は前世でもいたって普通のちょっとヤンチャな学園生活を送っていた普通の高校生なんだから。
だから、いっぱい足掻いて、必死になって、それでも頑張ってなんとかしてみせる。
そう思う。
なんたって……俺は。
『主人公』なんだから。

「……へえ」

「ふふっ」

と、そんな決意をしていると。
音央は口をへの字にして。鳴央ちゃんはとても嬉しそうに。
俺の顔を見ていた。

「うん?」

「ううん。アンタがそんな顔をしてる時は、もうやる気満々なんだろうなー、って思っただけ」

「ええ。おかげで私たちも、覚悟が完了しました」

可愛いらしく、グッと掌を握りしめてガッツポーズをしてくる鳴央ちゃん。
そんな彼女とは対照的に音央はヤレヤレ、と首を振っている。

「そんで、あの人達の居場所解るの?」

「ああ、いそうな場所なら検討はついてるよ」

ヒステリアモードの時に彼らがいそうな場所は推理しておいた。
推測だが、彼らの、アイツの性格からしていそうな場所は。

「多分、さっきの場所にいるだろうなー、って」

「とっくに移動してるかもしれな
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